『フュリオサ』主演、なぜシャーリーズ・セロンじゃない? アニャ抜てきの裏に“実力派監督”の影

2024年4月28日(日)8時0分 クランクイン!

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが演じた怒りの戦士フュリオサの若き日を描く最新作『マッドマックス:フュリオサ』が5月31日に公開される。主人公を演じるのはアニャ・テイラー=ジョイ。キャスティング段階で監督のジョージ・ミラーは業を煮やしていたそうだが、実は、若きフュリオサ役にアニャを推した影の立役者がいたという。

 ミラー監督は『マッドマックス:フュリオサ』を製作するにあたり、シャーリーズが続投する可能性について言及。なんと前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の製作前に、今作『マッドマックス:フュリオサ』の構想は、すでにシャーリーズ本人に伝えてあったという。

 「『フュリオサ』の脚本をかなり前にシャーリーズに見せた時、彼女は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の準備中にこう言った。『ジョージ、これを先に作れないの?」ってね。僕は、役作りの面で彼女の役に立つと思ったけど、それはできなかった。僕たちはこの映画を長い間準備してきたし、製作が延期になっていたしね。『怒りのデス・ロード』を完成させた時、ある映画が完成したら、すぐに同じような映画は作りたくはないものなんだ。そして、僕らは『怒りのデス・ロード』を2012年か2013年に撮影した。10年以上も前のことだよ。誰かを若く見せることは可能だけど、シャーリーズにはそれは通用しなかった。だからある意味、私はシャーリーズに今作でもフュリオサを演じてもらうことをかなり早い段階で諦めなければならなかった」

 『怒りのデス・ロード』が作られる前から、シャーリーズ本人はその前日たんにも興味津々だったようだが、さまざまな理由で残念ながらかなわなかったようだ。その後、『マッドマックス:フュリオサ』で若きフュリオサをアニャに決定するにあたっては、ある監督の強い推薦があったという。

 「私はシャーリーズの仕事を誇りに思っている。重要だったのは、彼女の態度や人柄にとてもよく似ている人を見つけることだった。エドガー・ライトが、アニャと撮った映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の初期のカットを見せてくれたんだよ。そして、アニャを見た瞬間に思ったんだ。『なんてこった、彼女の中には何かあるぞ』ってね。そして、僕が何の映画について話しているのか、エドガーにはわからないまま、僕は彼を見て言ったんだ。『彼女は本当に何かを持っているね』とね。そして僕が『もしも…』となにかを言いかけたら、エドガーはこう言った。『やってみてよ』ってね。彼は僕が言おうとしていたことを知っていた。彼はそれが『フュリオサ』だとは知らなかった。でも『彼女は素晴らしいよ。それを彼女でやってよ』って言ったんだ」

 ライト監督は『ショーン・オブ・ザ・デッド』 『ベイビー・ドライバー』などで有名なハリウッドの実力派監督。そんな彼がアニャを絶賛し、推薦したのも驚きだが、何より監督同士が言葉は交わさずともアニャの素晴らしさにおいて通じ合っていたことから、彼女の魅力がいかに強烈であるかがうかがい知れる

 ライト監督の推薦もあり、若きフュリオサ役にアニャを大抜擢したミラー監督は、彼女の演技を大絶賛。もはや俳優という枠を超え、一人の生きたキャラクターとしてとらえるほどに、フュリオサ=アニャに魅了されたことを明かしている。

 「結果的に、シャーリーズとアニャの役者としての仕事への取り組み方はとても似ていた。映画を撮影しているときに何が起こるかというと、彼らがキャラクターとして浮かび上がってくるんだ。僕は彼らをキャラクターとして見てきた。だから僕はこの映画で一緒に仕事をしてきた同僚たちや人々よりも、登場人物としての彼らの方をよく知っているんだ。それはとても興味深い現象だよ。そして今でもその感覚は変わらない。僕はアニャをアニャとして考えることができない。フュリオサのプリズムを通してしか彼女を見ることができないんだ。そのキャラクターがその役者を上回るんだ。そして、そうあるべきだと思う。なぜなら、僕はその俳優よりもキャラクターと長い時間を過ごしてきたわけだからね」

 まさに今最も旬な女優のキャリアの到達点を迎えたと言っても過言ではないアニャ。ハリウッドの巨匠が認めた彼女のMAD(=怒り)炸裂な怪演は、映画の中にとどまらず、ハリウッド界そして世界でも爆走中だ。

 映画『マッドマックス:フュリオサ』は、5月31日より全国公開。

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