北村匠海が選んだ、“アンチじゃない”ヒーロー「僕の人生に影響を与えているから」

2024年5月12日(日)19時0分 週刊女性PRIME

北村匠海 撮影/廣瀬靖士

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「お話をいただき、主演の長谷川博己さんと“また出会い直せる!”とうれしかったです」

ドラマ『アンチヒーロー』で赤峰役を好演中

 有罪の証拠がそろっていても、無罪を勝ち取る。たとえ殺人犯であろうとも……。ダークな弁護士・明墨正樹(長谷川)のもとで働く弁護士・赤峰柊斗を演じているのは北村匠海(26)。

「『仰げば尊し』('16年)や『グッドワイフ』('19年)など、日曜劇場にはお世話になっていて。そして『VIVANT』('23年)など進化し続けている枠だと思います。力になれることがあればと思って参加しています」

 4話(5月5日放送)で赤峰は急激な成長を遂げる。

「1話から3話までは、視聴者の方の目線にすごく近かったと思います。おそらく、多くの方が思う正義をちゃんと持っていて、それに対してまっすぐで。明墨法律事務所に入って、たぶん、いちばん考えて、迷って、立ち止まって、歯向かっていた存在だったと思います。

 4話を経て明墨法律事務所のパーツのひとつとして、ちゃんと明墨先生に仕えるようになっていく。ただ、明墨先生のやっていることに納得というか、“本当の正義”とはまだ思えない。5話以降、赤峰のそんな側面も見えてくると思います」

 赤峰への共感は、ある程度あると話す。

「僕個人は、持っている正義感を押しつけることは正義ではないと思う。正義感を持ったうえでどう行動するのか、それが正義だと思うところもあって。

 3話までの赤峰は“君の正義はわかるけど、それってエゴだよね?”と思いながらも、自問自答するという向き合い方をしていたと思います」



 弁護側、検察側。同じものに対する見方は真逆となる。

「アニメなどでも正義と悪という形で分かれて戦っていたりしますが、どちらにも正義があって、どっちの視点で見るかによって悪の対象は変わってくると思います。

『アンチヒーロー』にも、いろんな正義があって。大義とか、名分とか。正義がいろんなところでぶつかり合うからこそ、誰かにとってはアンチ。すごく多面的なんです。

 これからいろんなことが巻き起こり、少しずつ“本当の正義”“本当の悪”がメッセージとして表に出始めてくると思います。1話ごとにギアは入りっぱなしなので、楽しみにしていただけたら」



自分の成長は、自分がいちばんわからない

 北村と長谷川の共演は、映画『セーラー服と機関銃-卒業-』('16年)以来8年ぶり。だが、この作品以上に密に接したのは、

「『鈴木先生』(ドラマ'11年、映画'13年)ですね。ドラマが中1から中2、映画が中3。本当に濃かった。中2のときなんて、リアルで通う中学校よりも『鈴木先生』での学校生活のほうがメインでしたから」

 後にも先にもクランクアップで泣いたのはこの作品だけ、と感慨深げ。

「『鈴木先生』の教えって、当時としてはすごく先進的で。そんな話をこの間、長谷川さんともしました。そういえば、長谷川さん演じる鈴木先生が、あれだけ性について説いていたのにデキ婚して。あの作品でも法廷シーンというか、“鈴木裁判”はやっていましたね(笑)」

 当時、生徒役の北村にとって、長谷川は神格化された存在だったという。自身の成長を今作で見せたい思いは?

「そうですね。自分の成長って自分がいちばんよくわからないから。ただ30歳に近づきつつある今、現場で長谷川さんが頼りにしてくれる瞬間があった気がして。やっぱりうれしさはあります。

 いい意味で、神格化された長谷川さんから仲間というか、先輩になったような気はします。役者として、同じ目線で現場をより良くしたいと動く。そんな意識の変化はあると思います」



アンチではないヒーロー

 北村にとって、アンチではない純粋なヒーローを尋ねると、

「いっぱいいるんですよね。やっぱり、両親かなぁ? 僕の趣味を含めて、人生に影響を与えているから。

 僕は1歳では聴かないようなアーティストさんの歌を(1歳から)聴かされていて。3歳のときはその歌しか口ずさまなかったらしいです。

 そして、自分たちが若かったころに見たフランス映画もすすめてくれますし。内容というより、当時カッコいいとされていた作品を。親と映画の話ができるって、役者としてはすごくうれしくて。

 感性の部分にまで、自分に影響を与えてくれた両親はヒーローだなと思います」





日曜劇場『アンチヒーロー』

毎週日曜夜9時〜(TBS系)放送中

週刊女性PRIME

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