中大・宮下紘教授 マイナ保険証の利用率に「保険証や資格確認書の方が安心、信頼感があるという表れでは」
2025年5月15日(木)15時42分 スポーツニッポン
マイナンバーカード制度に詳しい中大総合政策学部の宮下紘教授が15日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・00)に出演。マイナンバーカードに健康保険証機能を持たせた「マイナ保険証」について言及した。
全国保険医団体連合会(保団連)は8日、「マイナ保険証」に関する調査結果を発表。本人であることを示すカード内の電子証明書の有効期限が切れていたことで受診できないといったトラブルが増えていると指摘し「従来の健康保険証(の発行)を復活させて併用を認めるべきだ」と訴えた。
調査は今年2〜4月、保団連に所属する医療機関に実施。回答した9741医療機関のうち約90%が昨年12月以降に何らかのトラブルを経験した。具体的な内容(複数回答)では、読み取った患者情報が文字化けして端末に表示されたケースが65・1%で最多。有効期限切れは31・0%で、昨年8〜9月の調査(14・1%)より大幅に増加した。
電子証明書の有効期限は5年。経過後も3カ月間は利用できる。保団連は、更新されないまま受診に支障が出る事例が増えていくと懸念している。
トラブル時の対応として、患者が持ち合わせていた従来の保険証で受診資格を確認したと回答した医療機関は約80%あった。保団連は「現場のさらなる混乱を防ぐため、政府に対し速い決断を求めていく」とした。従来の保険証は昨年12月に新規発行が停止され、マイナ保険証の利用を基本とする仕組みとなった。
番組では、「マイナ保険証」の現状(3月末現在)について、「マイナカード」保有者が全人口の78・3%の約9772万人、「マイナ保険証」の登録者がカード保有者の84・9%の約8301万人だが、「マイナ保険証」の利用率は27・26%だと伝えた。
宮下氏は、マイナ保険証の利用率について「大変厳しい数字だとみています。約27%、国民の4人に1人くらいしか使っていない。4人に3人くらいは既存の保険証や資格確認書を使っている。言い換えますと、既存の保険証や資格確認書の方が安心、信頼感があるという表れではないかとみています」と自身の見解を述べた。