城田優「『かまれたい』と思われる吸血鬼を目指す」…山口祐一郎の当たり役にWキャストで挑戦

2025年5月16日(金)14時0分 読売新聞

城田(左)は1メートル90、山口は1メートル86の長身コンビだ。「伝統芸能みたいに継承されていくといいよね。僕は来年古希なんで城田君、継承者としてよろしく」と山口。城田は「恐れ多いですよ……」

 モラルもルールもまっぴら——。吸血鬼を主人公にした何でもありの傑作ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」が6年ぶりに再演中だ。主役のクロロック伯爵をダブルキャストで演じている山口祐一郎と城田優の2人に聞いた。(小間井藍子)

 ロマン・ポランスキー監督のカルト映画「吸血鬼」を下敷きにしたコメディーホラー。山奥にある宿屋の娘サラはヴァンパイアのクロロック伯爵の妖艶ようえんな魅力に心奪われ、城に連れ去られる。「エリザベート」「モーツァルト!」などで知られるミヒャエル・クンツェの脚本・歌詞で1997年にウィーンで初演された。

 山口にとってクロロック伯爵は2006年の日本初演から専ら1人で演じてきた当たり役だ。「6年ぶりに作品の歌を歌ってみた。『自由になれる 自分を無くせば』とか、けっこう斬新なんですね。今、世界が混沌こんとんとしている中、時代が作品に追いついてきた感じがする」と語る。

 城田とは、10年の「エリザベート」でも共に黄泉よみの帝王トートを演じた間柄で、「できればもっと早く作品に加わってほしかったベビー」と親しみを込めて呼ぶ。城田は「日本でクロロック伯爵といえば山口さんのイメージしかないところに飛び込むのはプレッシャーだが、(人間ではない)“人外じんがい”の役は割と合う方だとは自分でも思う。お客様に『かまれたい』と思われる吸血鬼を目指したい」と真剣な表情で語る。

 映像でも人気を集める城田の活動は幅広い。昨年、新感覚ショー「TOKYO」を演出・出演し、シンガポールでも公演を行った。「基本的にエンターテインメントが大好き。自分でも作品を作る一方、今回のように既存の作品に参加していくのを並行していきたい」と今後の展望を語る。

 唯一無二の存在感と魅惑的な美声を武器に長年、ミュージカルの第一線で活躍してきた山口は、俳優業を続けつつ23年に中央大法学部通信課程を卒業した。「10年かかりましたけど、リーガルマインドの世界に身を浸らせた経験は舞台をやる上でも役に立っていますよ」と語ると、城田は「法律を勉強されていたとは! 初耳です」と驚きを隠せない様子だった。

 演出は山田和也。東京・池袋の東京建物ブリリアホールで31日まで上演。(電)0570・00・7777。

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