「あんぱん」ヒグラシの声と風鈴の音だけ流れる中、 言葉も交わさず蘭子の鼻緒を直した豪。朝ドラ史上恐らく最も哀しく、美しいシーンに視聴者涙…「こんなエピソードを隠していたなんて」「画面すべて蘭子の空気」「二人の演技、ただ圧巻」
2025年5月21日(水)19時15分 婦人公論.jp
「あんぱん」公式インスタグラム(@asadora_ak_nhk)より
今田美桜さん主演・連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜〜土曜8時ほか)。第8週「めぐりあい わかれゆく」の第38回が5月21日に放送されました。
豪(細田佳央太さん)の戦死の報せに、悲嘆する朝田家。豪が生還したら祝言をあげる予定だった蘭子(河合優実さん)が、石置き場で豪を思い出すシーンが注目されました。SNSやコメントに多くの意見が寄せられたほか、『あんぱん』公式インスタグラムにも動画が掲載され、多くの「いいね!」を集めました。
豪の葬儀を終え、1人石置き場にたたずむ蘭子。思い出していたのは夏のある1日でした。
強い日差しのなか、石置き場で作業する豪のもとに忘れ物を届けに来た蘭子。立ち去ろうとすると、下駄の鼻緒が切れてしまいました。豪は蘭子のもとに駆けよります。蘭子の左手をとり、自分の肩に載せました。手拭いを破って鼻緒を作り、結びなおしてくれる豪。好きな人に触れているうれしさと恥ずかしさが混じったような表情を見せる蘭子。
回想が終わると、石置き場には蘭子が1人たたずんでいます。
淡い恋心を感じさせるまぶしいばかりの夏の1日と豪が戦死した現実との対比が見事でした。特に回想シーンの映像の美しさが、多くの人の心を惹きつけたようです。
「朝ドラ史上、最も美しいシーンのひとつだったかも知れない…。 そして最も悲しいシーン。 泣いた」「蝉の声、風鈴の音、陽炎のゆらめき… 会話もなく、手際良く下駄の鼻緒を直す豪ちゃん 肩に置かれた手、膝にのせた素足、隠しきれないトキメキ、蘭子の心に刻まれる永遠の風景 戻ってこないあの時を独り思い出す蘭子が、余りにも儚く美しく悲しい… 」「豪ちゃんが鼻緒を直すシーン、完璧だったな…。 夏の日差し、蝉時雨、蘭子の着物の青、そして豪ちゃんの所作。 あまりにも美しくて、白昼夢のようにふっつり切れて次のシーンに行った編集に鳥肌立った。悲しい。」と絶賛する人たちも。
画面すべて蘭子の空気に
これまで豪と蘭子が触れ合うシーンはあまり放送されてこなかっただけに「蘭子と豪ちゃん こんなエピソードを隠してたなんてズルいよ」という声もありました。
セリフがなくとも、演じている人物の感情を雄弁に表現する河合さんの演技に魅了された人も。「河合優実さん、圧巻。どのシーンも。セリフのある無し全く関係なく、立っているだけで、そこにいるだけで、画面を全て蘭子の空気にする。 豪とのささやかで温かな恋心を描いた回想シーン直後、このシーンの哀しさよ 居姿の美しさよ」との声もありました。
一方で、過去の朝ドラとの関連を指摘する声も。「豪ちゃんが 蘭子の下駄の鼻緒を直すシーンは虎に翼のハイキングで 花岡悟が 靴擦れを おこした寅子の足に 応急処置を施した場面のオマージュですね。手ぬぐいを歯で割くところが同じです。」という意見もありました。
朝ドラ通算112作目となる『あんぱん』は、子どもたちの人気者<アンパンマン>を生み出したやなせたかしと、小松暢の夫婦をモデルとした物語。ヒロインの<朝田のぶ>を今田美桜さん、<柳井嵩>を北村匠海さんが演じます。
のぶの父・結太郎を加瀬亮さん、のぶの母・羽多子を江口のりこさん、嵩の母・登美子を松嶋菜々子さん、嵩の伯父・寛を竹野内豊さん、謎のパン職人・屋村草吉役を阿部サダヲさんが演じます。
林田理沙アナウンサーが語りを、脚本は中園ミホさんが担当。主題歌『賜物』はRADWIMPSが手掛けています。
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