ビリー・ジョエル 「正常圧水頭症」公表 17公演を中止「がっかりさせてしまい、ごめんなさい」
2025年5月25日(日)4時35分 スポーツニッポン
「ピアノ・マン」などの名曲で日本でもファンが多い米歌手ビリー・ジョエル(76)が23日、脳脊髄液が過剰にたまり脳を圧迫する「正常圧水頭症」と診断されたことを公表し、米英カナダで予定していた17公演を中止すると発表した。
SNSへの投稿で「最近までコンサートを続けてきたことで症状が悪化し、聴力、視覚、平衡感覚に問題が起きている」と報告。ファンに「皆さんをがっかりさせてしまい、ごめんなさい。理解してくれて、ありがとう」とメッセージを送った。
今年2月の米コネティカット州での公演中、マイクスタンドを振り回して投げ捨てた後、ステージ上で転倒。3月に「健康を第一に考える」としてスタジアムでの8公演延期を発表していた。今回の中止17公演には、その8公演も含まれる。
ジョエルは「ピアノ・マン」のほか「オネスティ」「あの娘にアタック」などが日本でも大ヒット。1978年の初来日以降、何度も来日公演を行っており、06年には海外勢として初の5大ドームツアーを成功させた。昨年1月には東京ドームで“一夜限りの日本公演”を開催。音楽関係者の間では「年齢を考えると最後の来日公演」と言われていた。
≪脳の機能がまひ≫
▽正常圧水頭症 脳が頭蓋骨の硬い部分に接触して損傷しないようにクッションとなる水「脳脊髄液」が、脳室と呼ばれる空間に過剰にたまり脳を圧迫、脳の機能がまひする病気。くも膜下出血や頭部外傷などが原因で発症する続発性正常圧水頭症と、原因がはっきり特定できない特発性正常圧水頭症の2種類がある。特発性正常圧水頭症は高齢者に多い。歩幅が小刻みになったりよろめいたりする歩行障害、認知症、尿失禁が3大症状。体内に管を埋め込み、余分な髄液を脳から腹部などに流す「髄液シャント術」などで症状の改善が期待できる。