《阿部寛“ハマり役”ランキング》僅差で1位に輝いたのは「この役を日本人で演じられるのは彼だけ」

2025年5月29日(木)11時0分 週刊女性PRIME

阿部寛



 現在放送中の日曜劇場『キャスター』(TBS系)で、主人公の進藤壮一を演じる阿部寛。日曜劇場の主演は6回目で、今回はキャスター役に挑んでいる。

「日曜劇場の最多主演は田村正和さんと木村拓哉さんの7回で、それに次いで多い。主人公力が強い役者さん。これまでいろいろな役をやってきていて、経験のない役を探すのが難しいくらい」

 と言うのは、漫画家でドラマウォッチャーのカトリーヌあやこさん。その言葉どおり、演じる役は幅広く、さまざまな作品で存在感を発揮してきた。そこで、30代〜60代の男女500人にアンケート。阿部寛が演じた一番好きなキャラクターは?

深夜ドラマから14年続いたシリーズ



 同数で2キャラクターがランクイン。1つ目の4位は上田次郎。

『TRICK』(テレビ朝日系/2000年〜2014年)で演じた物理学の教授で、仲間由紀恵とW主演を務めた。

 アンケートには、「シリアスとコミカル両方でとても魅力的なキャラクター。仲間由紀恵さんとの掛け合いも素晴らしかった」(神奈川県・47歳・男性)、「阿部寛のキャラをつくったのは『TRICK』だと思う」(広島県・53歳・男性)、「二枚目なのに適度に三枚目なところを出しているのが面白いし、うまいなあと感じた」(東京都・49歳・男性)との声が集まり、56票獲得。

「『TRICK』は、いわばキャラ初め。それまでは二枚目役が多かったけど、ここで背の高さや顔の濃さなど阿部さんの異形っぷりが発揮されました。

 自分の個性を生かしつつ、キャラを確立。シュールで笑いがちりばめられた怪優の誕生でした」(カトリーヌさん、以下同)

 ドラマはまず深夜枠で始まり、映画版、帯ドラマ、スペシャルドラマと発展した。

「阿部さんもそうですけど、仲間さんもこれでブレイクした。『TRICK』があまりに人気になって、スペシャルを放送するときは裏の日テレがジブリ作品をぶつけるようになった。ドラマの中で“なんどめだナウシカ”と習字で書かれるシーンが出てきたのもシャレがきいていましたね(笑)」



 同数4位は佃航平。

 日曜劇場『下町ロケット』(TBS系/2015年・2018年)の主人公で、佃製作所の社長を演じている。

 アンケートには「不器用で熱い役柄が似合ってた」(長崎県・51歳・男性)、「負けん気の強い技術者役がぴったり」(京都府・61歳・男性)、「社長として苦悩する姿と、それをはねのけ目標に進む姿が良かった」(石川県・65歳・男性)とのコメントが寄せられ、56票獲得。

「変化球的な役柄が多い中、珍しく直球で人間くさい役。町工場が大企業と競い、最後は逆転する。カタルシスがありました」

 原作は池井戸潤の小説で、アンケートは男性票が目立つ。

「モノづくりへの熱い気持ちを持っていて、みんなで熱くなっては涙する。そこが男性に響いた。“明日も仕事だぞ!”と、日曜日のお父さんを勇気づけるドラマでした」



嫌いになれない変人キャラがハマり役に



 3位は桑野信介。

『結婚できない男』(フジテレビ系/2006年)で演じた建築家役で、'19年に続編『まだ結婚できない男』が放送されている。

「とても整った顔で結婚できないとはまったく思えないが、この役のときは本当に結婚できそうにない人に見えて何回見ても笑えるし、感動もする」(福岡県・50歳・女性)、「たまにイヤなやつだけど、嫌いになれないキャラがいい」(青森県・40歳・女性)、「堅そうなイメージを持っていたが、コミカルで面白くギャップが最高だった」(千葉県・61歳・男性)と66票獲得。

「桑野の役柄がもう腹が立つ(笑)。夏川結衣さんが『あなたとしゃべってると会話のキャッチボールじゃなくドッジボールになってしまう』と言うセリフが出てくるけれど、まさにそう。イラッとさせ方が絶妙で、面倒くさい。変人役が似合ってました」

 続編は13年後が舞台で、夏川演じる医師は大金持ちと結婚した、との設定で出番なし。桑野を取りまく女性キャストも一新された。

「やっぱり夏川さんとの丁々発止のやりとりがキモ。願わくば、夏川さんとのコンビをまた見たい。夏川さんはその後離婚し、桑野と再会して─なんて、第3シーズンでもう一度2人がタッグを組むのはどうでしょう?」



 2位は桜木建二。

『ドラゴン桜』(TBS系/2005年・2021年)の主人公で、元暴走族で東大卒の弁護士役を演じた。

「迫力と説得力があり心に響いた」(神奈川県・51歳・男性)、「説得力あるセリフが演技とマッチしていた」(神奈川県・39歳・男性)、「破天荒ながら知的な役柄がカッコよく、阿部さんに似合ってた」(北海道・48歳・男性)と、93票獲得。

「決めゼリフが『バカとブスこそ東大に行け!』。このセリフは誰でも言えるものじゃない。暴走族のリーダーから弁護士、教師になったというあり得ない役柄だけど、阿部さんだとなんか納得しちゃいます。

 あの濃い顔で『クソみてえな人生を変えられるのは自分しかいない』と言われると説得力がある」

 '05年放映時は、山下智久、小池徹平、長澤まさみ、新垣結衣ら、後のスターが生徒役で出演している。

「阿部さんは共演者からもすごい信頼がある。長澤さんは阿部さんを尊敬していて、続編の出演をオファーされたとき、阿部さんがやるなら絶対やると言ったそうです。続編まで16年空いたけど、人気は変わらず、最高視聴率は20%超え。テレビ離れが進んだこの時代、すごい数字でした」



阿部寛しか演じられない外国人役



 1位はルシウス・モデストゥス。

 映画『テルマエ・ロマエ』(2012年・2014年)の主人公で、古代ローマ人役を演じ話題に。

「男前でまじめなのに、はたから見ると滑稽に映る役柄がハマってた」(神奈川県・46歳・男性)、「ローマ人といわれてもまったく遜色のない風貌とパフォーマンス」(愛知県・64歳・男性)、「彫りの深さがローマ人にぴったりで、仕上げてきた筋肉がまた素晴らしい」(神奈川県・57歳・男性)と、97票獲得。

「イタリアで『テルマエ・ロマエ』を公開したとき、イタリア人が『古代ローマ人でもこんな顔の濃いやつはいない』と言ったそうです。

 体形にしても、ギリギリまでホテルで3時間筋トレしてから現場に入ったりと、徹底的に仕上げていました」

 日本人で古代ローマ人ができるのは阿部寛だけ、と断言する。

「身長189センチで、当初は背が高すぎてヒロインと釣り合わなかったり、平成に入ると塩顔の時代になって、一時期は仕事に悩んでいたそうです。でも逆にその武器を生かして、『テルマエ・ロマエ』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した。阿部さんの持つ異分子が周囲をざわつかせる、ぴったりの役柄でした」

 1位から4位までいずれも主演作。「そのすべては続編が作られる人気作になっています」とカトリーヌさん。

「どんなにインパクトのあるキャラで、変なセリフを言わされても、成立するのが阿部さん。制作者がぜひ起用したいというのも納得です。異質な役をやってもきちんと着地するのは、きっと阿部さんのまっすぐさゆえ。癖が強い変人を真剣にやっていて、だからこその説得力があり、どこか許せちゃう。最終的に愛すべきキャラクターになる」

 今年は主演映画が2本公開予定で、まだまだこの先も出演作が続く。さて、次なるハマり役はいかに─。



カトリーヌあやこ 漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など

<取材・文/小野寺悦子>

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