“自由”で“ボーダーレス”なスタイルが魅力!エズラ・ミラーの華麗なるファッション遍歴

2018年11月20日(火)20時0分 シネマカフェ

エズラ・ミラー-(C)Getty Images

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昨日、「東京コミコン2018」初参加のための緊急来日が決定すると、一時はトレンド入りする事態となったエズラ・ミラー。『ジャスティス・リーグ』などDCコミックス実写映画の“フラッシュ”としてもお馴染みだが、散切り頭でクリーデンス・ベアボーンを怪演した『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』を経て、最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でも同役を続投している。

そのPRで参加した米サンディエゴの「コミコン」では、「スーパーマリオ」シリーズに登場するキノピコのコスプレで世界中を驚かせただけに、「どんな格好で日本に来てくれるのか楽しみ」とザワつくファンたちが続出。スーパーヒーローであり、「ハリポタ」魔法ワールドを愛するオタクでもあり、自身のセクシャリティを「クィア(queer)」と断言するエズラ。そんなエズラこそ、誰よりも“ファンタスティック”な存在といえそうだ。


ミステリアスで妖艶な魅力を放つ若きカメレオン俳優
1992年生まれ、現在26歳のエズラは、モダンダンサーの母と出版社役員の父のもとに育ち、幼少期にメトロポリタン・オペラで声楽のトレーニングを受け、吃音症を克服。子役として舞台に立ったこともある。16歳の時、映画デビューにして初主演となったインディーズ作品『Afterschool』(原題)では、ネット動画にハマりすぎてしまう高校生を演じた。

その後、「カリフォルニケーション ある小説家のモテすぎる日常」(08)、「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」(09)、「ロイヤル・ペインズ 救命医ハンク」(09〜11)と人気海外ドラマのゲスト出演で鮮烈な印象を放ち、注目を集めるように。


カンヌ映画祭で絶賛を受けた『少年は残酷な弓を射る』(11)では、悪魔のような狂気で母親(ティルダ・スウィントン)の精神を崩壊させるミステリアスな美少年ケヴィン役を狂演、日本でも多くの女性ファンを熱狂させた。

続いて、ドラッグまみれの暴走男子を演じた『アナザー・ハッピー・ディ ふぞろいな家族たち』、さらにエマ・ワトソン、ローガン・ラーマンと共演し、ゲイの青年を演じた『ウォールフラワー』でその変幻自在な魅力を開花させていく。


ミア・ワシコウスカの不倫相手を艶やかに演じた『ボヴァリー夫人』、人気コメディ女優エイミー・シューマーのインターンを演じた『エイミー!エイミー!エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』などが相次いで日本に上陸。


そして、強大な魔力を内に閉じ込めてしまったクリーデンスを演じた『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(16)と、いたずらっ子のような新人ヒーローのフラッシュを演じた『ジャスティス・リーグ』(17)という対照的な2本の大作映画で人気を不動のものにする。


「もともとDCワールドが大好きだし、それに『ハリー・ポッター』も大好きだった」と2016年の「ファンタビ」インタビューで語ったエズラは、特に「ハリポタ」の世界は「僕の人生を形成したというくらいの影響を受けていた」と公言する。クリーデンスという、愛を求め、自分は何者なのかを求める謎多きキャラクターにより深みと奥行を与えているのは、エズラ自身がこの魔法ワールドの熱烈な“信奉者”であることも大きい。


コミコン&プレミア…性別にとらわれない唯一無二の存在感を発揮
また、184cmというスタイルのよさから「プラダ(PRADA)」2013年秋冬メンズのキャンペーンモデルに選ばれたこともあるエズラ。


だが、このところ注目を集めているのは、エズラの自己表現そのものであるファッションスタイルだ。日本のマンガやアニメ、ゲームなどもこよなく愛するエズラは、世界最大級のポップカルチャーの祭典である「コミコン」でのコスプレが大きな話題となった。

コミコン初体験の2016年『ジャスティス・リーグ』のイベントには、『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフの扮装に“フラッシュ”の赤いキャップで登場。翌年も同じく『ジャスティス・リーグ』で、自身も大好きだという「鋼の錬金術師」の主人公エドのコスプレで参加し、ファンを喜ばせた。


コミコン ハガレンの次はキノピコ!
今年7月、最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』を引っさげた際には、ピンクのキノピコのコスプレにセクシーなレースのガーターベルトを合わせて登場し、会場を沸かせた。現地メディアの取材には「キノピコは『任天堂』のファンタスティック・ビーストだから」と語っていたエズラ。さらに、キノコ族のジェンダーは曖昧であると、かつてゲーム開発者が語っていたこととも関係があるらしく、奇抜に見えてもちゃんとエズラなりの意味があってのコスプレだった。


キュートなキノピコの姿のまま、お披露目された予告映像について「萌えるシーンしかない、すごすぎ! ホグワーツ、ダンブルドア、ニフラーたくさん、(ニコラス)フラメルだよ!?」と生粋のファンと同じ反応で興奮気味に話す姿は、愛さずにはいられない。


また、サンディエゴ・コミコンでは、エズラがドラムとボーカルを務めているインディーズ・バンド「Sons of an Illustrious Father」のメンバーもお揃いで、キノピオとキノじいになっていた。


パリプレミア レッドカーペットがまるでファッションショーに
そして、日本時間11月9日に行われたパリプレミア。フランス発祥のプレミアムダウン・ブランドの老舗「モンクレール(Moncler)」が「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のデザイナー、ピエールパオロ・ピッチョーリとコラボした「モンクレール ピエールパオロ・ピッチョーリ(Moncler Pierpaolo Piccioli)」の2018年秋冬コレクションで登場し、またも世界をアッといわせることに。



全身黒一色、それに合わせたリップ、コンパクトなフードにボリューミーなAラインのシルエットは異彩を放ち、「ガガ様みたい」「レカペがファッションショーになった」などの声が上がった。今回の最新作では、エズラ演じるクリーデンスを追ってニュート(エディ・レッドメイン)やグリンデルバルド(ジョニー・デップ)がパリに集結、“黒い魔法使い”グリンデルバルドがパリを闇に包んでしまうためか否か、同コレクションには豊富なカラーバリエーションもある中、あえての黒1択。また、寒い中でドレスを着なければならない女性セレブを慮っての衣装との意見もファンから上がっている。


ロンドンプレミア ヘドウィグで聖地降臨
一転、「ハリポタ」「ファンタビ」のお膝元・ロンドンでのプレミアでは、真っ白なふわふわのスタイルで登場。ツンツンヘアにシルバーのラメを利かせたメイクで、フクロウの指人形も。ハリーのペットであるフクロウ、ヘドウィグに敬意を表した様子で、もはや神々しいというのか、神がかった再現性。手のひらには一面、“許されざる呪文”の1つ「アバダ・ケダブラ」の文字がぎっしりだ。


これは「ジバンシィ(GIVENCHY)」の2018-19秋冬オートクチュールコレクション。そのふわふわを、エディやジョニーもひそかになでなでしていたらしい? 


性別、国境…あらゆるボーダーを超える存在
クリーデンスからフラッシュまで演じ分けられる演技力、ミステリアスなルックス。その反面、おしゃべり大好き、周囲に気配りできる愛されキャラである素のギャップ。エズラの魅力は尽きないが、こうしたエズラのファッションは、「奇抜」「衝撃」という言葉だけでは片づけることはできない。


先日アメリカで発表された「プレイボーイ」のグラビアでも、エズラはバニーの姿となり、とんでもないほどの色気を見せつけている。女性だけが体を売り物にされていいはずない、そんなメッセージも受け取れる。


性別にとらわれず、ゲイでもない「クィア」を自認する彼は、「ハリウッド・リポーター」のインタビューでは複数と恋愛関係になる「ポリアモリー」についても語り、自身の「#MeToo」ストーリーとして未成年のときのセクハラ被害を告白している。自らのアイデンティティについてオープンにし、それを体現してみせる姿はセクシャリティに悩んでいたり、生きづらさを抱えていたりする人々の背中を押す。


ジェンダーをはじめ、国籍も文化も、あらゆるボーダーを軽々と、“そんなものはありません”と言わんばかりに飛び越えていくエズラ。「ファンタビ」で、自分の役以外で演じてみたい役はクイニーだという。それが、エズラだ。男性も女性も隔てなく、“人”として、ただ“人”を愛する。

以前、映画は「僕が知る限りで人間が実際にできる最高の魔法」と語っていたが、そんなあなたこそ、この世界を縦横無尽に飛び回る唯一無二の魔法使いではないかと思えてくる。

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