欧州EVメーカーが2つの試練、販売鈍化と中国との競争―独メディア

2024年2月21日(水)5時0分 Record China

18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、欧州の電気自動車(EV)産業が販売の鈍化と中国との競争という二つの試練を抱えていると報じた。

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2024年2月18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、欧州の電気自動車(EV)産業が販売の鈍化と中国との競争という二つの試練を抱えていると報じた。



記事は、ドイツ政府が昨年末に7年間継続した消費者向けのEV購入補助金制度を終了することを発表したと紹介。その数か月前にはすでに社用車向けの補助金制度も打ち切っており、これらの影響によって同国内の昨年11〜12月におけるEV登録台数は大きく落ち込み、12月は欧州連合(EU)全体でも販売台数が減少したと伝えた。



そして、補助金の打ち切りによりEVが抱える価格面のボトルネックが改めて浮き彫りになったと指摘。EVは化石燃料車よりも明らかに価格が高いため、欧州のメーカーは昨年末より多くの割り引きを実施してなんとか販売につなげている状況であり、HSBCの欧州自動車証券アナリストであるマイク・チンダル氏が「価格より早く試すことを優先する人から購買層が一般消費者へと広がる中で、価格の問題はますます大きくなっている」との見解を示したことを紹介している。また、現状では消費者が充電インフラや電池性能に対し不満や憂慮を抱いており、今後数年の技術開発やインフラ整備を待たないと解消されないことも、EV普及の足を引っ張る要因になっているとした。



一方で、フォルクスワーゲンが昨年3月にEVへの転換やデジタル化に多額の投資を行い、30年までに欧州市場におけるEV販売比率を80%に、米国市場でも55%に高める計画を発表したと紹介。欧州の主要メーカーも同社と同様EV化に大きく舵を切っているものの「リスクが大きくないとは言えない」と指摘し、その要因として中国メーカーの存在を挙げている。



その上で、欧米のEV市場ではBYDをはじめとする中国のEVメーカーが重要な地位を築きつつあるとしたほか、欧州ブランドEVの販売が低調だった昨年12月にBYDは過去最高の売上を達成し、米テスラを抜き世界で最も良く売れるEVメーカーになったと説明。価格面で欧州メーカーに比べて大きな優位性を持っていることから、中国メーカーは欧州市場の拡大に自信を持っていると伝えた。



記事は、飛ぶ鳥を落とす勢いで発展する中国メーカーについて、チンダル氏が「必ずしも労せずして欧州市場で成功できるわけではない」と指摘し、中国メーカーが現在品質やブランド力で評判を勝ち取ろうと取り組んでいるものの「そのためには長い時間が必要。潤沢な財力や後ろ盾だけでなく、忍耐も求められる」と述べたことを紹介した。



また、フォルクスワーゲンも「中国のライバルが価格だけを頼りに欧州で勝てるということはありえない。市場の特殊なニーズに適応することが必要で、中国市場で売れている廉価なEVを欧州で提供することはできない」と認識した上で、中国メーカーとの競争を歓迎し、日本や韓国のメーカーと同様に重要なライバルとして扱う姿勢を示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)

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