日本のGDP4位転落をどう見る?―中国メディア

2024年2月28日(水)7時0分 Record China

中国メディアの澎湃新聞に26日、「日本のGDPが世界トップ3から転落したことをどう見るか」とする記事が掲載された。写真は東京都内。

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2023年のドル建ての名目国内総生産(GDP)で日本がドイツに抜かれ世界4位に後退した。これについて、中国メディアの澎湃新聞に26日、「日本のGDPが世界トップ3から転落したことをどう見るか」とする記事が掲載された。



記事はまず、「2月15日に目を引くニュースが伝えられた」と指摘。日本の内閣府が23年のGDP速報値をドル換算したところ、日本は4兆2106億ドルで、ドイツは4兆4561億ドルだったこと、名目GDPで10年に中国に抜かれ、世界2位から3位に転落していた日本が、ドイツにも抜かれて世界3位から4位に転落したこと、逆転された要因は外国為替や物価などにあることを取り上げた。



記事は「近年の円安の進行は、円換算した日本のGDP成長率を大きく上回っている」と指摘。「日本は12年以降、金融緩和、財政拡大、投資促進など多方面の努力をしてきたものの、少子高齢化や産業構造転換の遅れなどの構造的要因により、国内市場は縮小し、競争力が低下した。国内市場の縮小や国際市場での競争力の低下などの課題を短期的に克服することは難しく、日本のGDP成長率は多少改善したとはいえ、依然として年率1%前後にとどまっている」とし、「日本円換算のGDP規模は拡大しているものの(名目GDPは12年の500兆円から23年の589兆円へ17.8%増加)、円安が加速しているため、米ドル換算では、23年のGDPは4兆2100億ドルで、12年の6兆2700億ドルと比べて48%減少した」と伝えた。



記事は「日本のGDPの国際順位の低下は円安に直結しているが、日本政府は円安を容認せざるを得なくなっている」と指摘。「産業レベルでは、輸出や海外生産・販売の割合が比較的高い製造業(自動車、電子部品、モーターなど)や、新たな成長ポイントとして注目されているインバウンド観光産業では、円安が一般的に歓迎されている。他方、円安による国際人材競争力の低下を懸念する新興産業(IT産業など)は、日本経済において十分な地位や発言力を持っていない」とした。



さらに「マクロ経済の意思決定の点からは、円安傾向を反転させるためには、日米の高い金利差を変える必要がある」と指摘。「日銀が率先して緩和的な金融政策を見直し、金利を段階的に正常化するか、消極的に米連邦準備理事会(FRB)の利下げを待つかのどちらかだ。しかし前者は、危険が四方八方に潜み、困難が山積だ」とした。また「高齢化の加速による社会保障費の急増に対処し、景気を刺激するため、日本の国債の対GDP比は主要7カ国(G7)の中で最も高い220%に達している。日本政府は、金利の上昇が政府に巨大な元利返済圧力をもたらすだけでなく、超低コスト(低金利、低賃金)に依存し、生産性や投資収益率が低い多くの日本企業にも破産の衝撃をもたらすことを懸念している。政治の安定を考慮すると、日本政府と日銀は積極的に金融政策を調整することに極めて慎重になるだろう。言い換えると、今後長期にわたって、日米の金利差や円相場の動向は主にFRBの金融政策によって決まることになる」とした。



記事は「日本のGDPが世界3位から転落したのは、表面的には円安の影響が大きいが、突き詰めれば、少子高齢化や産業構造の調整、企業の生産性の低さなどに適時に対応できなかったことによるものだ」とし、「注目すべきは、日本のGDPが10年に(人口規模が10倍以上の)中国に抜かれたのに対し、今回は人口が日本の7割にも満たないドイツに抜かれたことだ。今後、為替レートの変動に伴い、日本とドイツの順位は上下を繰り返す可能性が高い。しかし、世界3位の座をめぐる日本とドイツの戦いは数年も続かないと予想されている。5年後には、23年のGDPが3兆7300億ドルで世界5位のインドが日本とドイツを抜き、米国、中国、インドがGDPランキングで世界トップ3という新時代を迎える可能性が高い」とした。(翻訳・編集/柳川)

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