中国の求職者たちが直面する「新常態」―独メディア

2024年3月5日(火)7時30分 Record China

3日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の就職市場が依然厳しい状況にあることを報じた。写真は中国の求職者たち。

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2024年3月3日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の就職市場が依然厳しい状況にあることを報じた。



記事は春節(旧正月)連休が明けてから中国各地で就職説明会が開催されており、参加企業数や求人数が飛躍的に増加する一方で、依然として雇用側市場であり、初任給水準は概して低いままだと伝えた。



そして、河北地質大学の工商マネジメント学士号を取得したある卒業生が、複数の就職フェアに参加し1000以上の履歴書を出して就職活動をしたものの、得られたのは興味のない「ライブ放送主」の仕事1件のみだったと紹介。月給は5000元(約10万円)で、会社が食事と宿泊も提供してくれるなど給料面ではある程度満足しているもののの、会社に週6日、1日最大12時間働かなければならない「996」の社風があることを恐れているとし、「学位を安売りしたくないが、なにしろ大卒者が多すぎる」とため息をついたと伝えている。



その上で、中国最大級の人材紹介プラットフォームである智聯招聘によると、春節休暇後の最初の週の求人数が昨年の同時期より45%増加したものの、雇用市場における平均賃金上昇率はわずか3%と賃金が伸び悩んでいると指摘。オランダ最大手銀行INGグループの中華圏担当エコノミストが「経済回復の勢いが弱いため、今年の雇用市場回復も緩やかになる」と分析したことを紹介した。



また、業界によって雇用市場に大きな差が出ており、新型コロナから最も早く回復した観光産業は今年、昨年より56.3%多い雇用が提供されていると紹介。北京での就職イベントに参加したホテルの人事担当者が「新採用のスタッフは昨年より手取りで30〜40%多く稼げる」と語ったことを伝える一方、厳しい状況が続く不動産会社や債務の膨張に苦しむ地方政府公務員については待遇が悪くなっており、関係者からは「これが就職市場の新常態になるかもしれない」との声が出ているとした。



記事は、中国で間もなく両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)が開かれ、家計支出の低迷と長期的な構造的不均衡に対処する政策を打ち出すことが求められているとした上で、仏ナティクシス銀行のシニアエコノミストが「十分な補助金と減税は、前倒し消費の刺激につながる。ただし、家計がより楽観的になるか、所得の伸びが改善しないことには、消費が反発することはない」との見方を示したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)

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