中国で原発建設が加速、ただ「欠けているもの」が―中国メディア

2024年3月6日(水)8時0分 Record China

4日、第一財経は、中国で原子力発電所の建設がハイペースで進む中、業界関係者からは「グリーン電力体系に原子力発電を加えるべき」との声が出ていることを報じた。写真は太平嶺原子力発電所。

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2024年3月4日、中国メディアの第一財経は、中国で原子力発電所の建設がハイペースで進む中、業界関係者からは「グリーン電力体系に原子力発電を加えるべき」との声が出ていることを報じた。



記事は、全国人民政治協商委員である中国広核集団の楊昌立(ヤン・チャンリー)董事長が、5日に開幕する「両会」に向けて「グリーン電力体系に原子力発電を加えるべき」との提案を行ったことを紹介した。



そして、23年末現在で中国では55基の原子力発電所が稼働し、設備容量は5703万キロワットと米国、フランスに次ぐ世界第3位であるほか、建設中の原子力発電所数は世界第1位であり、22〜23年の2年間だけで計20基の原子力発電所建設が国から承認されたと説明。中国原子力エネルギー業界協会は、稼働している原発設備容量が30年までに米国を抜いて世界最大になると予測していると伝えた。



また、国際原子力機関(IAEA)のデータによると、1キロワット時の発電に必要な二酸化炭素量が太陽光の74.6グラム、水力の64.4グラム、風力の13.3グラムに比べて原子力発電は5.7グラムと非常に少ないと説明する一方で、楊氏が「現時点では原発事業者がグリーン電力証書を提供できず、グリーン電力に対する社会ニーズに合わない上、利用者の原子力エネルギー購入のモチベーションも上がらない。中国は原発大国であり、政策面で世界の原発開発をリードしていくべき。原子力のクリーンさを示すためにも、できるだけ早くグリーン電力証書制度に原子力も加えるべきだ」と指摘したことを紹介している。



記事によると、中国はエネルギーのグリーン化、低炭素化を促進すべく、17年にグリーン電力証書制度を設立。証書発行の範囲は、水力発電を含む再生可能エネルギーにまで拡大されたが、原子力発電はまだ含まれていない。(翻訳・編集/川尻)

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