アメリカで食品用の合成着色料8種、段階的に使用停止…消費者庁「対応の必要性検討する」
2025年4月24日(木)11時29分 読売新聞
合成着色料の段階的な停止について説明するケネディ氏(22日、ワシントンで)=AP
【ワシントン=中根圭一】米保健福祉省と米食品医薬品局(FDA)は22日、米国の食品で8種類の合成着色料の使用を、段階的に止めると発表した。
いずれも石油由来の着色料で、2種類は数か月以内に認可の取り消し手続きを始め、残る6種類は2026年末までに食品会社に使用をやめさせる。これとは別に使用期限を27年1月と定めていた「赤色3号」は、業界に期限の前倒しを要請する。ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官は記者会見で「我々が健康でなければ米国を再び偉大にすることはできない」と述べた。
米保健福祉省は食品会社に天然着色料への切り替えを求めるほか、米国立衛生研究所と連携し、食品添加物による子どもの健康や発達への影響を調べるという。
消費者庁によると、日本では赤色3号は1948年に食品添加物に指定され、菓子や漬物、かまぼこなどに使われている。米国で今年1月に使用期限が設けられたことを受け、同庁の専門家部会が2月、安全性などを審議。「直ちに使用基準を改正する必要はない」との見解をまとめていた。同庁は米国が段階的に止めるとした8種類の合成着色料について「今回の発表では科学的根拠が示されていないが、情報を集めて対応の必要性などを検討する」としている。