ローマ教皇、死の2日前までほぼ毎日ガザへビデオ通話…住民一人ひとりの名を呼び励まし続ける
2025年4月26日(土)6時51分 読売新聞
ビデオ通話でロマネッリ神父やガザ住民らに手を振る教皇フランシスコ(今年1月22日)=バチカンニュースのユーチューブから
【ローマ=倉茂由美子】21日に死去したローマ教皇フランシスコが特に心を寄せていたのが、パレスチナ自治区ガザの人々だ。イスラエル軍による報復攻撃が始まった2023年10月以降、ガザの神父にほぼ毎日ビデオ通話などで連絡し、人々を励ました。連絡は死去の2日前まで続いたといい、神父は「我々は一人ではないと勇気づけてくれた」と感謝している。
ガザのカトリック教会に勤めるガブリエル・ロマネッリ神父(55)=写真=は24日、本紙の取材にオンラインで応じた。教皇と同じアルゼンチン出身だ。神父によれば、ガザのカトリック教徒は約130人だが、イスラエル軍による攻撃開始2日後の10月9日以降、教皇が連絡してくるようになった。
「元気ですか。ご飯は食べましたか」。ビデオ通話に映った優しい表情の教皇は、いつも人々が置かれた状況を尋ね、祈った。連絡を受けるのは午後8時だ。次第に「教皇の時間」と呼ばれ、窮状や思いを伝えたい信徒の住民らが集まるようになった。教皇は住民の名を一人ずつ呼び、話を聞いたという。
教会は住む場所を失った住民らの避難所となっており、他宗派も含めて約500人が身を寄せる。周囲の建物などが激しい攻撃にもさらされる中、教皇は神父を「勇気を持って、子どもと人々を守りなさい」と励まし続けたという。
教皇が入院した2月中旬以降も、容体の良いときには連絡があった。最後の連絡は復活祭(イースター)前日の19日。神父は「わずかな時間、いつものようにガザのために祈り、子どもたちを気にかけてくれた」と振り返る。
神父は突然の