《不倫相手を惨殺》「遺体を焼いてのこぎりで切断。袋に入れて海に捨てた」チャラすぎる伊豆大島のモテ男が溺れた“3股不倫”の代償
2025年4月27日(日)7時10分 文春オンライン
都心から120キロ南の太平洋上に浮かぶ伊豆諸島最大の島・伊豆大島。島の中心街から10分ほど車を走らせると玄武岩の黒砂からなる弓状に伸びた海岸線が多くの観光客を虜にする「砂(さ)の浜」が見えてくる。そんな太古から続く幻想的なビーチで人の骨が発見されたのは昨年10月のことだった。

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社会部記者が解説する。
「死体損壊と死体遺棄の容疑で逮捕されたのは柳瀬宗達(そうたつ)容疑者(45)。容疑を認めており、『遺体を焼いてのこぎりで切断。袋に入れて海に捨てた』と供述している」
DNA鑑定の結果、見つかった骨は高瀬静香さん(享年37)のものと判明した。
「高瀬さんは柳瀬と交際関係にあった。死亡の経緯について柳瀬は『自宅にいたが気がついたら自殺していた』と話している。『遺体が見つかれば島に住めなくなる』とも語っており、高瀬さんのスマホと荷物は捨てて、証拠隠滅を図ったと見られる」(同前)
本州で就職し、向こうの女性と結婚
柳瀬の近隣住民が話す。
「柳瀬さんの家は代々続く畳屋で、宗達は3代目。小学生の頃、三原山が噴火して島民が全員避難になったとき『怖いよ、怖いよ』と泣きながら抱きついてきた。明るくて心優しい子だった」
中学では野球部に所属。島内の高校に進学した。
「卒業後は親御さんから店を継ぐために『くに(※本州のこと)で修業してこい』と言われ、就職。向こうの女性と結婚して娘さんと息子さんがいます。約10年前に店を継ぐために島に戻ってきたが奥さんは来なかった。埼玉にある家のローンは宗達が払っており、子どもたちはたまに島に遊びに来ていました」(同前)
埼玉の近隣住民が話す。
「たしかにご主人の姿は見たことはないが、東日本大震災のとき、被災地に支援に行ったと聞いた。出稼ぎで家を空けているものだと思っていました」
大島でのリゾートバイトで宗達と知り合い交際に発展
高瀬さんとの“不倫関係”は島では周知の事実だったという。柳瀬の知人が話す。
「宗達は自宅の2階を友人に貸しているということにして静香さんを居候させていた。万が一、奥さんが島に来たとき『友人の彼女』と言い訳できるから。一緒に家に入っていく姿を島民は何度も目撃しています」
高瀬さんは札幌出身。なぜ道ならぬ恋に進んだのか。
「静香さんは全国の観光地を渡り歩き、住み込みで働く『リゾートバイト』で生計を立てていた。19年から23年まで大島のラウンジで働いていた時期があり、客として来店した宗達と知り合い交際に発展した」(同前)
利尻島や徳之島、八丈島などでも働き、事件直前は静岡県下田市のスナックに勤務。同店関係者が語る。
「求人サイトを通じて応募があり、24年8月から10月末まで働いてもらう予定でした。飲み屋経験が長いから盛り上げ上手でどんなお客さんの席につけても安心して見ていられました。『海が大好き』と言っており、ダイビングのフィンを持っていた」
そして、その日が訪れる。
「『9月9日から1週間休みをください』と言われました。特に行き先などは告げられなかった。静香さんの友人から店に『連絡が取れない。警察に相談する』と電話があったのは9月末頃。寮に住んでいて荷物はそのままでした」(同前)
高瀬さんは熱海市からフェリーに乗船し、柳瀬が待つ大島へ。12日から札幌の同級生と沖縄旅行の約束をしていたが、合流場所に現れず、行方がわからなくなっていたのだ。
ラウンジの仕事は好きじゃないと元同僚に吐露
2人が出会ったラウンジのオーナーが語る。
「静香の時給は2500円。シャンパンを入れたらバックが入るけれどそんな太客はいなかった。酒が大好きで酔い潰れては送迎のドライバーに迎えに来てもらうことも。着飾らない子で服にお金をかけず、寮でも自炊で納豆などを食べていた」
各地で知り合った友人と格安ツアーで海外旅行を楽しんでいたという。
「タイ旅行に行ったとき、向こうでマッサージの資格を取ってきた。水商売ができなくなったときのために資格を持っておきたかったのかもしれない」(同前)
元同僚の女性が続ける。
「ラウンジの仕事は好きじゃないと吐露しており、『生活できるくらい貯金ができたらスイッチが切れたみたいに引きこもる。お金がなくなったらまた働く。その繰り返し』と。コロナのときはこのままの生活はヤバいと思ったのか『看護学校に通う』と資料請求をしていたが通うことはなかった」
「超ムカつくんだけど」と激怒
その一方で禁断の関係は深まっていった。
「静香は『実家に居場所はない』と言っており、島に友達と呼べる人もいなかった。孤独な静香には宗達しかいなかった。一度キャストの子が『宗達はやめておきな』と言ったら『超ムカつくんだけど』と激怒。それ以来その子は無視された。急に泣き出すなど気分の浮き沈みは激しかった。デートはもっぱら居酒屋か海。2人でボディボードをよくやっていた」(同前)
前出のラウンジオーナーが続ける。
「宗達が店に来るのは月に1回程度。友達2人と一緒で会計は3万円くらい。アフターで静香とはタイ料理屋に行くんだけど、男友達も一緒に連れてカモフラージュしていた」
「お前、また違う女じゃねえか」
不惑を超えてもなお1人の女性を“依存”させていた柳瀬。家業とは裏腹の「チャラさがあった」と島内の飲食店店主は明かす。
「女性にはモテるんです。結婚後も静香とは別の島の女の子と付き合っていた。観光で来た女の子2人を連れて奢ってやったりしていた。いろんな女の子を連れてきていたから『お前、また違う女じゃねえか』と。学生の頃から、不良までとはいかないが、髪を派手にセットしてみたり、暴走族の真似事をしてみたりソフトヤンキーな面があった」
柳瀬はFacebookに、新宿ゴールデン街で飲む自分自身を〈パリピ(笑)〉と表現したり、キャップにサングラスというラッパー風の格好で携帯ゲーム機を片手にポーズを決める姿を投稿。
実は柳瀬には高瀬さん以外にも愛人がいたという。
「新宿にも不動産関係の仕事に就く愛人がいる“3股不倫”でした。新宿の女性が『2番目の妻』で静香のことは『3番目の女』だと言っていた」(同前)
高瀬さんは好みの男性について、同僚らにこう語っていた。
「イケメンは嫌い。浮気をするから」
そんな高瀬さんと、島でチャラつく柳瀬の間にトラブルは絶えなかった。
「23年9月に柳瀬から大島署に男女間についてのトラブルの相談があった。これを機に高瀬さんは島を出たが関係はだらだらと続いた。翌24年5月にも『(高瀬さんから)しつこく電話が来る』と相談があった」(捜査関係者)
修羅場も訪れていた。
「静香は埼玉の家に行って奥さんの写真を撮り、宗達に送っていたそう。また別れを切り出されたときは両手に包丁を持ってガムテープでぐるぐる巻きにして家にやってきた。『奥さんに関係をバラすぞ』と脅され、毎月4万円を請求されていると聞きました。『いつまで払えばいいのか』と宗達は不満げでした」(前出・知人)
1月27日、埼玉の自宅に帰ってきた柳瀬の妻に声をかけたが、俯きながら「弁護士事務所に聞いてください」と漏らすのみ。
3股不倫の代償はあまりにも大きかった。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年2月6日号)