ホロコースト終結80年式典、ネタニヤフ首相「ハマスはナチスのようだ」…ガザ戦闘を正当化

2025年4月24日(木)22時42分 読売新聞

23日、エルサレムでホロコーストの生存者(右端)と手を振るネタニヤフ首相=福島利之撮影

 【エルサレム=福島利之】イスラエルは24日、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲者を追悼する日を迎えた。今年はホロコーストの終結から80年の節目にあたる。パレスチナ自治区ガザでの戦闘が続く中、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ユダヤ人がホロコーストの被害者だと前面に打ち出し、戦闘の正当化を図っている。

 ネタニヤフ氏は23日のエルサレムでの式典で、ガザで戦闘を続けるイスラム主義組織ハマスについて「全てのユダヤ人を殺害しようとした」として、「ナチスかヒトラーのようだ」とホロコーストに重ね合わせて非難した。さらに「ハマスへ軍事圧力を続け、打ち負かす」と述べ、ガザでの戦闘を続行する考えを示した。

 ナチス・ドイツが第2次世界大戦中に約600万人のユダヤ人を殺害したホロコーストの記憶を受け継ぐために、イスラエルは1951年に追悼の日を定めた。59年には法制化され、前日の夜は飲食店の閉店が義務づけられ、コンサートなどの娯楽は禁じられている。

 23日夜の式典には、軍や情報機関のトップのほか、米国や日本など各国の大使が出席する中、ホロコーストの生存者が壮絶な体験を証言した。24日午前10時には2分間サイレンが鳴り響き、全ての交通は止まり、人々は黙とうした。

 2023年10月のハマスによる越境攻撃をネタニヤフ氏は「ホロコースト以来の悲劇」と位置づけ、ガザでの戦闘を続けてきた。一方、最大野党の党首ヤイル・ラピド前首相は23日、「我々には国がある。ホロコーストの最中ではない」とネタニヤフ氏の言動を批判した。

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