ファーウェイが「産業界向けソリューション」に注力、AI活用の成果が続々
2025年4月28日（月）9時0分 Record China
ファーウェイが力を入れている事業分野の一つである「産業界向けソリューション」では、最新のAIを大いに活用した成果が続々と登場している。写真はファーウェイがスマート化を手掛けた天津港。
華為技術（ファーウェイ）がこのところ力を入れている事業分野の一つに「産業界向けソリューション」がある。もちろんいずれも、人工知能（AI）活用などを含む、これまでに培ってきた高度な技術を総動員してのソリューションだ。
取り組みの一つには高効率で柔軟なサプライチェーンの構築がある。まずサプライチェーンの「大脳」として「霊鯤」という名のスマートオペレーションセンターを構築した。霊鯤は170カ国以上の数千社のサプライヤーのために、数百万件に及ぶ注文を処理するなどの指揮統制を実行する。「手足」になるのは「霊蜂」と呼ばれるスマート物流センターで、世界4カ所の供給センターと中国国内4カ所の履行センターを基盤としている。これらの複数の拠点が市場のニーズに応じて迅速に組み合わせ、輸送、梱包、保管などのニーズに素早く対応する。
ファーウェイは高効率で柔軟なサプライチェーンの構築で、AIを全面活用している。AI大規模モデルのアルゴリズムとデータ管理を基に貨物流量と在庫の正確な予測を実現し、倉庫のシミュレーションと仮想化を通じて在庫配置と経路計画の最適化が可能になった。また、従業員にはAIを利用して訓練や知識の検索や運営方針の解説を行うことで、作業効率を高める。さらに、顧客からの問い合わせなどについては、、スマートカスタマーサービスシステムが言葉の意味の理解や感情の管理を通じて顧客ニーズに素早く応答し、「人の言葉で話す」ことでサービスに温かみを加えている。
ファーウェイの高効率で柔軟なサプライチェーンでは、各方面にわたる合理化により、全体として物流コストの低減が年間1000万元（約2億円）を超えるという。
ファーウェイによるもう一つの重要な取り組みが、港湾のコンテナターミナルのスマート化だ。現在も世界の98％を超えるコンテナターミナルが依然として人力に依存しており、従業員が過酷な労働を強いられる一方で、効率はニーズを満たしきれていない。ファーウェイは年間取扱量が2000万TEUを達する天津港の無人自動化に取り込んだ。
ファーウェイは5G、AI、天籌ソルバーなどのソフトとハードの融合を通じて天津港コンテナターミナルのスマート化を実現した。ファーウェイのソルバーはAIによる自律学習アルゴリズムやシミュレーションと現実のデータを組み合わせての精度向上を実現するシステムで、数理最適化の理論を用いてコンテナの最も効率的な積み方や、搬送車やクレーンの最も効率的な配置などを算出する。ファーウェイが独自開発したAI利用ソルバーの自己学習最適化アルゴリズムとシミュレーション技術などにより、天津港の作業効率は5％〜10％向上し、計画策定に必要な時間は従来の「時間」単位から「分」単位へと短縮された。
同様にファーウェイの技術の恩恵を受けているのが、ある有名な大手海運企業だ。この企業では年間10万枚を超える通関書類を処理しており、うち70％が非標準フォーマットだ。もし人手で処理するならば、1枚の書類入力に15分を要するなどで、1万5000社を超える顧客に対応するためには膨大な業務量が発生する。さらに従来のOCR技術では絶えず変化する非標準書類フォーマットに対応できず、認識の失敗や再設定が多発し、非効率かつ重複した作業が大量に発生していた。ファーウェイのマルチモーダルAI大規模モデル技術を導入し、1000万単位の書類データに基づいて訓練と調整を行った結果、この企業の書類自動認識の正確率は96％に向上し、人手による再確認の必要が大幅に減少し、大きなコスト節約が実現した。
ファーウェイは国際ターミナルの設備展示会である2025年のパッセンジャー・ターミナル・エキスポで、空港のインテリジェント運用管理センターをはじめとする五大航空ソリューションを発表した。ファーウェイは空港の「運用管理、安全保障、サービス」の三大業務分野および航空会社の運営分野を中心に、旅客とフライトの流れを円滑にし、空港と航空会社の運営効率を高めてきた。
現在までに、全世界で210を超える空港、航空会社、航空管制機関がファーウェイのソリューションを選択した。ファーウェイは今後も、業界の顧客やパートナーと手を携えて、民間航空のデジタル・インテリジェント基盤を築き、安全でグリーンで文化的なスマート空港を共同構築し、航空業界のスマート化を加速させる考えだ。（翻訳・編集/如月隼人）
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