米司法省、トランスジェンダーの女子競技参加を認める州法を調査「女性から機会を奪いかねない」
2025年5月29日(木)12時36分 読売新聞
米司法省の庁舎
【ロサンゼルス=後藤香代】米司法省は28日、公立校で心と体の性が一致しないトランスジェンダー選手に女子競技への参加を認めるカリフォルニア州法が、教育現場での性差別を禁止する連邦法に抵触している可能性があるとして、調査を開始すると発表した。
州法は、生徒の性自認と一致する競技への参加や施設の利用を認めるよう公立校に義務付けている。司法省は28日発表の声明で、「男性として生まれた選手の女子競技への参加を認める行為は、女性から平等な機会を奪いかねない」と州法を非難した。トランスジェンダー選手に活躍の場を奪われたとして、教育委員会などを相手取って訴訟を起こした州内の高校の女子クロスカントリー選手2人への支持も表明した。
トランプ米大統領は2月、トランスジェンダー選手の女子競技への出場を禁止する大統領令に署名した。今月27日には、カリフォルニア州が命令に従わない場合、州への財政支援を停止するとSNSに投稿した。今回、州法そのものに政権が疑義を呈し、民主党が多数を占める州議会への圧力をさらに強めた形となった。