投票率低迷、日本の有権者は「政治無関心症」?―中国メディア
2024年11月7日(木)7時0分 Record China
2024年11月5日、環球時報は日本の選挙における投票率の低さについて紹介する記事を掲載した。
記事は、日本メディアの報道として、10月27日に行われた衆議院選挙の投票率(小選挙区選)が53.85%と戦後3番目の低さだったと紹介。特に若い有権者の政治的無関心が深刻で、総務省が同30日に発表したデータによると、今回の衆議院選挙における18〜19歳の投票率(小選挙区)は速報値で43.06%と全体を10ポイント以上下回る低さになったと伝えた。
また、「日本の若者の政治や選挙に対する無関心さは、記者が取材中にも感じた」とし、若者から「政治について何も知らない」「政治の話をしたくない」と取材を断られるケースが多かったと指摘。取材に応じた大学生は国際政治学を専攻しているにもかかわらず投票に行かなかったことを明かし、「日本の若者が政治の話をすることは珍しい。政治学を専攻しているのは純粋に知識欲を満たすため。日本を変える、人々の生活を向上させるといった大きな夢はない」と語ったことを紹介した。
その上で、選挙の投票率は選挙制度や政治環境、社会文化などが大きく影響するという分析を紹介するとともに、明治大学教授の政治学者・井田正道氏が「高福祉の一方で高負担が課せられている北欧諸国では、世論が政治に反映されるという信念が強いため投票率が高いのに対し、日本の市民は世論を政策に反映させるのは難しいと考えているため、投票に行かない可能性がある」との認識を示したこと、AFPが2021年に「時代遅れの選挙戦略と政治教育の欠如が日本の若者の投票率を下げている二つの理由だ」と分析したことを伝えた。
さらに、日本メディアが19年に「高齢者向けの政策ばかりで、政治が若者に目を向けていない」ことが若者の投票率低迷に大きく影響しているという調査結果を発表したことにも言及。ある若者が「若者が投票に行かないのは、政治を理解していないから。政治を理解していないのは関心がないから。関心がないのは期待していないから。期待していないのは、何も変わらないから。何の解決にもならないと分かっているのに、なぜ関心を持てるのか」 と語ったことを紹介した。
記事は、米ワシントン・ポストが「日本の若者は常々、自分たちが国の将来について発言権を持っていないと感じている」と指摘したことを紹介。熊本県立大学の澤田道夫教授が、若い世代の投票率が低いままでは政治家が若者を重視しても票が入らないと考えるようになり、社会が若い世代にとってますます好ましくない方向に進むという悪循環が起きるとの見方を示したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)