約5.8万円のAndroidタブレット「LAVIE Tab T11」を試す 安価なタブレットとの違いは?

2025年2月11日(火)12時5分 ITmedia PC USER

ハイパフォーマンスなAndroidタブレット、LAVIE Tab T11をチェック!

 筆者は“ごろ寝用”のタブレットとして、約1.5万円から購入できる「Redmi Pad SE 8.7」を実際に購入し、読書やYouTubeの動画視聴用タブレットとしてコストパフォーマンスに優れるお手頃Androidタブレットであると紹介した。
 しばらくして、「逆にハイパフォーマンスで高級機にあたるAndroidタブレットは、iPadと比べてどれ位快適に操作できるのだろうか」という疑問に行き着いた。
 そこで、2024年12月にNECパーソナルコンピュータが発売した、Snapdragon 685搭載の「LAVIE Tab T11」を手元に用意した。直販価格で5万8080円からと、iPadと比べると本体価格は安いが、Redmi Pad SE 8.7と比べると約3.8倍の価格なので、それほどの差が出てくるのか、非常に気になるところだ。
 ハイパフォーマンスなLAVIE Tab T11はどれほど快適に動作するのか、iPadの代替としてAndroidタブレットは通用するのかという点について、製品紹介を踏まえつつ、ベンチマークテストやゲームプレイでその実力をチェックしていこう。
●LAVIE Tab T11の外観をチェック
 LAVIE Tab T11は11.45型のAndroidタブレットで、以前紹介したRedmi Pad SE 8.7のように“ごろ寝用”ではなく、メインマシンとして利用することを想定したサイズ感だ。
 ディスプレイの解像度はWUXGA(1920×1200ピクセル)で、フルHD(1920×1080ピクセル)と比べて縦の解像度が広いため、一度に表示できるコンテンツ量が多い。数字で見ると「たった120ピクセルの差か」と感じる方もいるかもしれないが、実際に利用してみると、意外と侮れない差だ。
 発色自体も非常に鮮やかに感じられ、ハイパフォーマンスモデルの名にふさわしいディスプレイといえる。これならWebサイトの閲覧だけでなく、動画やカメラで撮影した写真を鮮やかなディスプレイで見られるだろう。
 ディスプレイの鮮やかさだけでなく、リフレッシュレートも90Hzに対応しているため、ゲームやWebサイトのスクロール動作もスムーズに動作する。
 コンテンツを楽しむために必要な要素を全て兼ね備えている高級機といったところだ。
●デジタルペンに専用キーボードなど純正アクセサリーも充実
 LAVIE Tab T11は純正アクセサリーも充実しており、タブレットカバーやデジタルペン、専用キーボードと、Androidタブレットとしてフル活用できる周辺機器がそろっている。
 本体色のルナグレーと同系色の「LAVIE Tab T11タブレットカバー」(7678円)を本体に装着してみると、同系色カラーの統一感から非常にスタイリッシュな見た目に収まる。それでいてタブレット本体をしっかりと保護してくれる点もありがたい。純正品ならではのクオリティーだ。
 フォリオケースなので、タブレット本体を保護するだけでなく、写真のように折りたたむことで、タブレットスタンドの代わりとして利用できる。
 例えば、新幹線での移動時や宿泊先のホテルなどでも、後ほど紹介する純正キーボードと組み合わせることで、ノートPCスタイルで利用できる。ちょっとした作業もLAVIE Tab T11だけで済ませられるので、オールマイティーに使える。
 タブレットケースの他に、傾きや4096段階の筆圧検知に対応した「LAVIE Tabデジタルペン3」(1万1880円)も用意されている。書き心地やレスポンスは良好で、イラスト作成やフォトレタッチ、大学の授業や仕事で使うデジタルノートと、幅広い場面で活躍してくれるようになる。
 先ほど紹介したLAVIE Tab T11タブレットカバーには、LAVIE Tabデジタルペン3を収納できるスペースが備えられており、よくどこかに行ってしまうタブレット用のペンをしっかりホールドしてくれるので、筆者としては地味にうれしいポイントだ。
 最後に専用キーボード「LAVIE Tab キーボード」(1万6280円)を見てみよう。コンパクトながらキー配列はノートPCに近いレイアウトで、キー入力がしやすい素直なコンパクトキーボードに仕上がっている。
 ノートPCと近しいキーレイアウトが採用されているので、普段利用しているWindowsノートPCとLAVIE Tab T11を行き来しても、キータイプに戸惑うこともない。
 なお、タブレットとの接続はBluetoothかUSB Type-Cとなっている。
●動作は格安タブレットと比べると歴然 遊びから仕事までそつなくこなす
 外観について駆け足で紹介してきたが、ここからはベンチマークテストや、動作が非常に重たいゲームをプレイして、LAVIE Tab T11の実力に迫っていこう。
●AnTuTu Benchmark 3D Lite
 まずはAndroidデバイスのベンチマークテストアプリとして有名なAnTuTu Benchmark 3D Liteを使って、LAVIE Tab T11とRedmi Pad SE 8.7の性能を比較してみた。結果は以下の通りだ。
総合スコア
・LAVIE Tab T11:35万7673ポイント
・Redmi Pad SE 8.7:27万1799ポイント
CPU
・LAVIE Tab T11:11万1436ポイント
・Redmi Pad SE 8.7:9万046ポイント
GPU
・LAVIE Tab T11:4万4503ポイント
・Redmi Pad SE 8.7:4万388ポイント
MEM
・LAVIE Tab T11:11万4492ポイント
・Redmi Pad SE 8.7:6万5255ポイント
UX
・LAVIE Tab T11:8万7242ポイント
・Redmi Pad SE 8.7:7万6110ポイント
 LAVIE Tab T11に搭載されているSoCはミドルレンジ向けのSnapdragon 685で、比較対象にしたRedmi Pad SE 8.7には同じくミドルレンジ向けのMediaTek Helio G85が採用されている。
 しかしながら、Snapdragon 685はMediaTek Helio G85と比較してクロック周波数やメモリ帯域幅が向上している関係で、CPU(全般的な処理性能)のパフォーマンスが約1.3倍高いスコアを記録しているのが分かる。
 特にメモリ帯域幅の向上により、MEM(RAMとROMの読み書き性能)のパフォーマンスが約1.7倍と大きな差をつけている。主にこの2点が総合スコアを大きく引き伸ばす要因となっているのだ。
 それに比べると、GPU(グラフィック性能)とUX(操作性能)のスコア差は約1.1倍と、そこまで大きな差が出ていない事が少し気になる。
 ベンチマークスコアの差はあまり大きな差が見られないが、明らかにLAVIE Tab T11の方が起動直後や、一般的な操作の軽快さに雲泥の差を感じた。
 Redmi Pad SE 8.7は、あくまでごろ寝用や読書用として割り切って利用しているため、多少の動作のカクツキは許容できるものの、LAVIE Tab T11を触った後だと快適さは段違いに感じる。
 そういった意味では、LAVIE TABの特設サイトの「LAVIEならシゴトもアソビも自由自在」というキャッチフレーズがよく似合うモデルと言えよう。
●原神は一部画面では動作のカクツキを感じるものの……
 続いてAndroid向けのゲームの中で特に3D描画の負荷が高い「原神」をプレイしてみた。アップデートの適用画面では動作が重たくなり、少し先行きが不安だったが、いざプレイしてみると、画質設定は低くなるものの特に問題なくプレイできた。
 ガチャ画面を開くとかなりもっさりした動きになることや、マップ移動時のロード時間が少し長いことが気になるが、フィールド移動やイベントシーンの再生、敵との戦闘は支障を来さないため、Android向けのゲームであればおおむね快適にプレイできると考えて良いだろう。
 どうしても原神をプレイできるタブレットとなると、「iPadなど10万円以上のモデルを購入しなければ」と考えがちだが、LAVIE Tab T11は約5.8万円から購入できるので、メインのタブレット端末として十分活躍してくれる。
●OSのUIは変わったカスタマイズもされておらずシンプルで好感
 今回初めてLAVIE Tabシリーズを使ってみたが、Lavie TabシリーズはAndroidのシステムUIに特徴的なカスタマイズを入れておらず、シンプルで何も見なくても直感的に操作できることが個人的に非常に気に入った。
 筆者は2013年に発売された「Nexus 7」を保有していたころから、実に12年ぶりにAndroidタブレットを再び使うようになった。当時のAndroidタブレットはどうしてもiPadと比べるとUIの作りがあまり気に入らず、第一世代のiPad Airに買い換えた経験がある。
 それから月日は流れ、Androidタブレットも直感的で分かりやすく、洗錬されたUIに変化を遂げ、万人受けするようになったなと感じた。
 最近では、iPadの価格も為替レートの関係で高くなっている中で、LAVIE Tab T11はパフォーマンスは申し分なく、ストレージ容量も128GBから選べ、ディスプレイの発色が良く、高いリフレッシュレートを実現しているお財布に優しい万人向けのモデルと筆者は考える。
 Redmi Pad SE 8.7も、低価格が魅力的ではあるがメイン機として利用するには少し心もとない。であるならば、購入費用はもう少し高くなるものの、6万円以内で購入できるLAVIE Tab T11の購入をぜひ検討してみてほしい。
(取材協力:NECパーソナルコンピュータ)

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