バーチャルISS内で球形ロボット操り、実機と比較検証。KDDI×スペースデータ
2025年3月4日(火)12時15分 マイナビニュース
スペースデータとKDDIは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携して開発した「バーチャル国際宇宙ステーション」(バーチャルISS)内で、宇宙ロボットを動作させる実証を4月〜10月まで実施。ISS内にいるロボットの実機を、同様のコマンドで操作したときの動作と比較できるようにする。
今回の実証に向け、ISSで稼働するJAXAの宇宙ロボット「Int-Ball2」を操作するコマンドを使って、バーチャルISS内のロボットを動作させる技術を開発。実際のISS内の宇宙ロボットから取得した映像や重力などの物理環境データを基に、同技術の精度とバーチャルISSの再現率向上を図ることで、ISSなどの宇宙機やロボットの設計・開発段階において、バーチャルISSでの多角的な検証を可能にする。今後は開発コストの削減や、ロボット活用による宇宙ステーション運用の効率化も追求する。
両社は、スペイン・バルセロナで開催中の世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2025」(会期:現地時間3月3日〜6日)でバーチャルISSを展示し、来場者も体験できるようにしている。この取り組みを通じてバーチャルISSの有用性を確認し、要望の高い機能の追加などを検討していくとのこと。
バーチャルISSは、JAXAの「宇宙イノベーションパートナーシップ」(J-SPARC)の枠組みのもと、スペースデータがISSをデジタル上で再現したもので、PCゲームプラットフォーム「Steam」で無償公開中。ゲームやエンターテインメント、教育事業での利用から、宇宙ロボットや宇宙実験のシミュレーションまで、幅広い用途で利用できるという。Int-Ball2は、ISSで活動する宇宙飛行士を支援する船内ドローンで、地上管制官の操作でISS内を飛び回り、写真・動画を撮影できるようになっている。