「おしゃべり源氏物語」、大阪工業大が開発 声とチャットで質問に回答 和歌も読み上げ

2024年4月5日(金)18時21分 ITmedia NEWS

 大阪工業大学は4月5日、複数のAI関連技術を活用した「おしゃべり源氏物語 −生成AIで学ぶ『源氏物語』−」を開発したと発表した。マイクに向かって源氏物語について質問すると、生成AIで解説を作成し、音声とチャットで回答する。
 開発したのは、同大学情報科学部 ネットワークデザイン学科の矢野浩二朗教授。OpenAI APIを用いた自動採点付き学習アプリを開発し、本格的に授業で実践するなど、生成AIを活用したさまざまな挑戦を行っているという。
 おしゃべり源氏物語には、音声から文字への変換にAI音声認識のAmiVoice、文章生成にOpenAIのAPIを利用するなど、6種類のAI関連技術を活用している。
 和歌の発音に関するデータを追加することで、和歌独特のリズムでの読み上げを可能にした他、古典が苦手なOpenAIのために和歌現代語訳をデータベース化するなど、開発には多くの工夫が必要だったという。
 精度の高い回答を生成するため、恵泉女学園大学 稲本万里子教授が代表を務める「源氏絵データベース研究会」と協力。矢野教授と共に同研究会に所属する、大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科の横山恵理准教授と構築した源氏物語に関するデータベースも活用している。
 同AIは2月下旬から4週間にわたって東京富士美術館で開催された源氏物語をテーマにした展覧会に出展し、実証実験を実施した。会期中に約3000人が体験し、満足度向上には音声入力の改善が最も重要であると分かった他、古語をどのようにAIに学習させるかなどの課題も明らかになったという。
 今後はパブリックなデータを用いた「Open 光源氏 AI」を他施設でも公開する予定。

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