春らんまん! iPhoneで桜をキレイに撮る方法【2024年版】 「ブリリアンス」を生かすとイカした写真に

2024年4月6日(土)7時0分 ITmedia Mobile

「iPhone 15 Pro Max」で桜を撮る

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 2024年の桜は遅かったですな。
 気象庁のデータによると、ソメイヨシノの満開日は、平年だと「3月31日」。2021年と2023年は3月22日と、東京ではすごく早く満開になった。4月初旬には、もう終わりかけていたものね。
 そして2024年は4月4日が満開と平年より4日遅く、2023年より15日遅い。
 気象庁のデータをさかのぼってみると、2016年に4月2日、2012年に4月6日というのがあったが、ほとんどが3月中に満開を迎えている。やはり2024年は遅いのだ。
 2012年の4月6日は何をしてたのかなと、iPhoneの写真をさぐったら、北の丸公園で桜を撮ってました。カメラは「iPhone 4s」。
 でも、4月4日は満開というにはちょっと早かったかな。標本木で約80%以上のつぼみが開いた日が満開日とされているので、実際には満開日の数日後くらいがピークと思っていいだろう。
●iPhone 15 Proの5x望遠でチューリップと一緒に桜を撮る
 わたしの開花の基準は、近所の公園にある「タカトオコヒガンザクラ(高遠小彼岸桜)」。日本で一番多く見かける品種の「ソメイヨシノ」と比べると1週間〜10日ほど早く咲く上に、ソメイヨシノより花びらの色がちょっと濃くて写真映えするのだ。
 いつもは3月中旬、遅くても下旬には満開なのに、2024年は3月末から4月上旬とかなり遅れててびっくりしたのである。
 そして「iPhone 15 Pro Max」で撮ったのがこれ。開花が遅れたせいか、チューリップと菜の花と一緒に撮れたのである。
 色鮮やかに撮るときのポイントは、いくつかある。
 まずは日差しの方向。桜の花びらは薄いので、日差しの影響を受けやすいのだ。明るく華やかな桜を撮りたいなら、光が正面から当たった方がいい。
 次は前景や背景との関係。今回は手前のチューリップからしっかり入れたかったので、チューリップ/菜の花/桜がバランス良くおさまる角度を探し、しゃがんで少し引くい位置から撮ってみた。
 そして5xの望遠カメラで撮った。画面に入れたい要素をギュッとしぼるには、画角が狭い望遠カメラがいい。望遠で撮ると「圧縮効果」といって、遠近感が薄まり、より密度の濃い写真になる。5x望遠の威力だ。
 ただ、この日は月曜日なのに花見目当ての人が大勢詰めかけてにぎわっており、どこをどう撮っても誰かが写り込んじゃう感じだったのである。例年は近所の人たちが集まってる、ってイメージの場所なのだけど(どの駅からも遠いし)、2024年はどこでここの桜を知ったのか(SNSだろうけど)、海外からの観光客が多かったのもびっくりだ。
 みんな目ざといなあ、と思う。
●桜並木は5xの望遠で撮ろう!
 「5xの望遠で桜を撮るぞ」シリーズ第2弾は。桜並木。
 ソメイヨシノもそろそろ満開か、ってことで桜並木を撮りに行くことにしたのである。
 桜並木は望遠で撮るとその圧縮効果でより密集感が出る。5x望遠の威力を発揮してくれるのだ。
 最初は車が走ってない瞬間を撮ったのだけど、それだと味気ないな、ってことでバスが少しかぶった写真にしてみた。
 iPhoneの中で、5x望遠カメラを持ってるのはiPhone 15 Pro Maxだけなので、望遠作例が続いて申し訳ないけど、「iPhone 14 Proシリーズ」や「iPhone 15 Pro」の人は3xで。あるいは、デジタルズームでちょっと望遠にするのがいい。
 ちなみにこの写真、左右均等に並木を入れるべく、車道に出て撮った……ように見えるけど、そんなことはしてません。同じ場所で広角(1x)で撮ったのがこちら。
 道路が緩やかにカーブしている場所なのだ。広角で撮るとカーブしてることや、歩道に立って撮ってるのが分かる。カーブをうまく使うべし。
 密度の濃い桜並木を狙うには、幅が広すぎない道路や広すぎない河川敷がいい。道路がS字にカーブしてたりするとなおよし、である。
●困ったら写真アプリの「ブリリアンス」に頼ろう
 桜は晴天下と曇天下とどっちが撮りやすいか。
 晴天下だと陰影が強く出るので桜の柔らかい感じを出しづらいし、日差しの方向で雰囲気が変わっちゃう。一方、曇天下の方が柔らかい感じに撮れるけど、ちょっと地味である。しかも曇天下だと暗くなりがち。
 そんなときは撮った後でひと手間。困ったらとりあえず「ブリリアンス」だ。暗い所は明るめに、明るすぎる所はちょっと抑えて、いい感じに明るく鮮やかにしてくれる便利機能。日本語だと……「輝度」になるかな。
 iPhoneの写真アプリから「編集」を選んで、その中から「ブリリアンス」を選んで使ってみよう。
 まあそれで大体いい感じになるんだけど、さらにちょっと彩度を上げて、ちょっとだけ色合いをずらしてみた。
 さっきのS字カーブ並木の写真を、ちょっとレタッチしたのがこれ。
 もう1枚「ブリリアンス」してみよう。
 標準の設定で何も考えずに広角で撮った暗渠沿いの桜並木なんだけど、暗いよね。雨降りそうな天気で、桜の花びらも“どよん”としてる。
 では「ブリリアンス」を最強にし、さらに「明るさ」を足し、「暖かみ」をプラスしてみよう。こうなった。
 曇天下ではあるけれども、ちょっと明るく桜らしくなったわけである。やり過ぎるとわざとらしくうさんくさくうそくさくなるので、うそくさいハデハデ写真が好きならそれでもいいけど、そこはお好みで。
●ピントが合わないときの小技
 続いては、花びらをアップで撮る話。
 ググっと寄って花にフォーカスしたいこともある。桜の花びらは、形もきれいだしね。
 iPhone 14 ProシリーズやiPhone 15 Proシリーズは、近寄ると「マクロモード」に切り替わるけど、マクロモードがやっているのは超広角カメラ(こっちの方が近くまでピントを合わせられる)のデジタルズームであるから、どうしても背景がぼけにくいし画質的にもちょっと広角(メイン)カメラより劣る。
 個人的におすすめなのは「2x」での撮影だ。2xにした分だけ大きく撮れるので、「ひたすら近距離で撮りたい」ってとき以外は有効だし、背景もそこそこぼけるので、撮りたい花がハッキリする。
 ただ、残念ながら後ろにピントが合っちゃうことがある。ピントが合う距離のはずなのに、後ろに合っちゃう。
 画面をタップすると、本体はそこにピントが合うはずなのだけど、メインの被写体が小さいと、うまく合ってくれないことがあるのだ。
 そんなときは「同じ距離にあるデカいもの」でAFロックをかけてやる。
 例えば手を伸ばし、同じ距離に手のひらを置いて、そこで長押しして、そこでロックしちゃうのだ。
 一度ロックすれば、カメラと花の距離を変えない限り、ピントは合ってくれるのである。
●曇天下の桜は「フォトグラフスタイル」の出番
 もうひとつ、撮影時の小技を。
 曇天下の桜って、どうしても全体的に“暗く”写りがちで、色も“青白く”なりがち。
 撮ってから「ブリリアンスさん、よろしく!」もいいけど、撮るときにひと工夫する手もある。
 まず、プラスの露出補正をかけておく。続いて「フォトグラフスタイル」。ここで「鮮やか(暖)」を選ぶのだ。
 すると、明るくてほんのりピンクがかった桜を撮れるのだ。
 標準のカメラアプリは細かい撮影設定はできないけど、このくらいはイケるのである。
●「ポートレートモード」で桜をきれいに撮れるか?
 桜の花にフォーカスして撮りたい、となると、背景をぼかしたいよね。背景がごちゃっとしてると、何を撮りたかったのか分からなくなっちゃう。
 桜の花をキリッと撮りたいときは、暗めの背景を選ぶべし。そうするとコントラストが高くなって、花も明るく撮れる。
 でも、ちょっと背景がごちゃっとしてる。ではポートレートモードでぼかしてみよう。
 数年前までのiPhoneは、花をポートレートモードで撮るとディテールがかなり怪しくなっちゃってヤバかったけど、最近はかなりレベルが上がってるから、使ってみるのもいい。
 完璧ではないけど、背景が大きくぼけることで、撮りたかった花にフォーカスできた。
●“その場所”ならではの視点で撮ってみよう!
 ガチで桜をきれいに撮りにいくなら、ガチのカメラを持ち出すべきだと思う。ディテールのクオリティや撮影のバリエーションが違うし、イメージ通りの写真を撮れる。
 でもiPhoneにはiPhoneの良さがある。それはいつも持ち歩いてるってことだ。
 桜は、いろんなところにいろんな理由で植えられている。公園の中にぽつんと1本だけある大木だったり、道路脇の並木だったり。背景も川だったり、池だったり、お寺だったりと、シチュエーションもいろいろ。春になってはじめて「ここにも桜があったのか!」と気づくことも多い。
 だからふと出会った桜を、その出会ったときの新鮮さで撮れるのがiPhoneなのだ。
 その時、ただ目についたものを撮るんじゃなくて、ちょっと立ち止まって、桜をどっちからどのくらいの距離で撮ると「桜がある風景」として、その場の雰囲気を捉えられるか、その桜のどこにフォーカスしたら、そのときの自分の目線を閉じこめられるか——そんなことを考えて撮ると、自分ならではの桜の写真になる。
 例えば、あえて逆光で撮ってみる。
 この時は超広角カメラを選び、桜の幹を背に、目の前に伸びた枝とガスタンクを入れた逆光にしてみた。桜ごしの風景もいいなと思ったのだ。
 最後は夜桜だ。
 撮ったのは2023年だけど、たまたま横浜であれこれ撮影してた帰りに見つけたきれいにライトアップされたシダレザクラ。
 シダレザクラだけだと何か物足りなかったので、あえてマリンタワーが顔を出すアングルにし、2xで撮ってみた。iPhone 14 Proでの撮影だ。
 つまり、桜っていろんな撮り方ができるし、晴れてても曇っていても雨が振っていても面白いし、今やいろんなところに植わっているので、ふとした桜との出会いにiPhoneを取りだそうってことだ。そして困ったら「ブリリアンス」である。

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