小型で静かで冷えて白くてパワフル! サイコムの「G-Master Velox Mini」は“それいいね”が詰まったゲーミングPCだ

2025年4月14日(月)15時4分 マイナビニュース


デスクトップ型のゲーミングPCが欲しいけど、できればコンパクトで静かでおしゃれで、だけどもモンスターハンターワイルズのような高い性能を要求するゲームも快適に遊びたい……そんななかなかにムチャと思える要求に見事応えてくれるのがサイコムの「G-Master Velox Mini」だ。静音と性能のバランスにこだわるサイコムらしさが詰まって1台。今回はその中からIntel最新世代のCPUを搭載する「G-Master Velox Mini B860 Intel Edition」のレビューをお届けしよう。
高い性能をNoctuaのファンで静かに冷やす
老舗BTOメーカーとして知られるサイコムから、最小クラスのデスクトップ型ゲーミングPCとして発売されたのが「G-Master Velox Mini」だ。同社のタワー型ゲーミングPCであるG-Master Spearに比べて65.4%もサイズを削減したコンパクトなボディがまず大きな特徴と言える。サイズはわずか容量19リットル、幅200×奥行き336×高さ283.5mmとなっている。
小さいだけではなく、天面にはハンドルがあって持ち運びやすく、ホワイトカラーなのでインテリアにも溶け込みやすい。左側面は透明度の高いガラスなので中の様子が見えるのもうれしいところ。カスタマイズとしてLEDストリップを追加できるので、ドレスアップにこだわることも可能だ。なお、PCケースはブラックカラーも用意されている。
さらに、選べるスペックも充実している。「G-Master Velox Mini B860 Intel Edition」では、CPUにCore Ultra 200Sシリーズが並び、標準構成ではCore Ultra 5 225F(Pコア6+Eコア4)だが、最上位のCore Ultra 9 285K(Pコア8+Eコア16)の搭載も可能だ。
ビデオカードも幅広く、標準構成ではGeForce RTX 4060だが、Arc B580やGeForce RTX 5070、Radeon RX 7800 XTなど上位のカードも搭載できる。コンパクトなボディでもかなりのハイエンド構成で注文が可能だ。
静音性にこだわれるのもサイコムらしいところ。PCケースの背面ファンには静音性の高さが知られるNoctua製NH-F12 PWMを標準搭載。CPUクーラーには、Noctua製の空冷クーラーやNoctua製のファンを組み合わせた簡易水冷クーラーも選択できる、
コンパクトなボディでも、高性能で見た目にもこだわれて、静音性も追求できる。小さいから高性能は無理か……、小型で高性能だと冷却力を確保するためにうるさいのは仕方ないか……といった諦めや妥協がまったくいらないのが素晴らしいところと言えよう。
試用機はCore Ultra 7 265KF+GeForce RTX 4070 SUPERの強力タッグ
ここからは実際の性能や静音性、温度などをチェックしていこう。今回の試用機のスペックは以下の通りだ。
CPUはPコア8基、Eコア12基で合計20コア20スレッドの「Core Ultra 7 265KF」だ。末尾に「F」が付いているのでGPU機能を内蔵しないタイプ。最上位のCore Ultra 9 285K(Pコア8基、Eコア16基)に比べ、Eコアが4基少ないだけで、価格はとても下がるためCore Ultra 200Sシリーズで一番お得感のあるモデルと言われるもの。ゲーム用途では十分過ぎるコア数だ。
ビデオカードは原稿執筆時点ではカスタマイズでは選択できない「MSI GeForce RTX 4070 SUPER 12G VENTUS 2X OC」が搭載されていた。GPUにGeForce RTX 4070 SUPERを搭載するオーバークロックモデルだ。定格のブーストクロックは2,475MHzだが、2,505MHzまで向上させている。
試用機のポイントはCPUクーラーに静音性と冷却性の両方とも高い「Nocuta NH-U12A」が採用されていることだろう。PCケースの背面ファンもNoctuaのNH-F12 PWMということもあって、20コアのCPUとアッパーミドルのGPUをどこまで冷やせて、どこまで静かに運用できるかが気になるところだ。
超重量級のゲームも最高画質で快適に楽しめるパワー
気になる性能をさっそくチェックしよう。まずは、定番のCPUパワーを測定する「Cinebench 2024」、PCの基本性能を測る「PCMark 10」、3Dベンチマークの「3DMark」を実行する。
Cinebench 2024はMulti Core、Single Coreとも非常に高いスコアを出している。Core Ultra 7 265KFの性能をしっかり引き出せていると言ってよいだろう。PCMark 10のスコアもすべて高めで、一般的な作業であれば不満を感じることはないはずだ。3DMarkに関しても、すべてアベレージに近いスコアを出しており、GeForce RTX 4070 SUPERの性能を問題なく発揮できている。
では、実ゲームだとどうだろうか。フル/WQHD/4Kと3種類の解像度で、最高画質と中画質の2パターンでフレームレートを測定した。平均60fpsを超えているかが快適にプレイできる目安と言える。高リフレッシュレートのゲーミング液晶を組み合わせるなら、100fps以上出ているかが注目ポイントと言えるだろう。テストしたゲームと条件は以下の通りだ。基本的にアップスケーラーやフレーム生成に対応しているものは、それぞれ利用している。
Apex Legends:最高画質および中画質程度で、射撃練習場の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
オーバーウォッチ2:画質“エピック”および“NORMAL”で、botマッチを実行した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
ストリートファイター6:画質“HIGHEST”および“NORMAL”で、CPU同士の対戦を実行した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
エルデンリング:画質“最高”および“中”で、リムグレイブ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
マーベル・ライバルズ:画質“最高”および“中”、DLSS“バランス”、フレーム生成有効で訓練場の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
Ghost of Tsushima Director's Cut:画質“非常に高い”および“中間”、DLSS“バランス”、フレーム生成有効で旅人の宿場周辺の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
アサシン クリード シャドウズ:画質“最高”&レイトレーシング“全体的に拡散+反射”および画質“中”&レイトレーシング“全体的に拡散”、DLSS“バランス”、フレーム生成有効で、ゲーム内のベンチマーク機能を利用
サイバーパンク2077:画質“レイトレーシング:ウルトラ”、DLSS“バランス”、フレーム生成有効で、ゲーム内のベンチマーク機能を利用
モンスターハンターワイルズ:画質“ウルトラ”&レイトレーシング“高”および“中”&レイトレーシングOFF、DLSSはプリセットに準拠、フレーム生成有効で、公式ベンチマークを利用
最高画質設定でも多くのゲームが4K解像度でも快適にプレイが可能だ。サイバーパンク2077やモンスターハンターワイルズなど一部の超重量級ゲームでは平均60fps以下になるが、それでもWQHD解像度なら快適に遊べる。ちなみに、ストリートファイター6とエルデンリングは最大60fpsのゲームだ。
中画質まで落とせば今回のゲームならばどれでも4K解像度で快適にプレイが可能だ。サイバーパンク2077とモンスターハンターワイルズも4Kで平均100fpsを超えており、ゲーミング液晶を組み合わせれば滑らかな描画を楽しめる。描画負荷の高いゲームが登場しても安心と言ってよい性能だろう。
小型で高性能だと冷却力や動作音も気になるところ。サイバーパンク2077を10分間プレイした際のCPUとGPU温度をシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。室温は23℃だ。
CPUは最大75℃、平均で66.2℃、GPUは最大72.5℃、平均69.6℃とまったく心配のいらない温度だ。サイズを考えるとよく冷えていると言ってよい。長時間のゲームプレイも余裕でこなせる。動作音は前面、左側面、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を設置して測定したが、前面で39.8dB、左側面で39.9dB、背面で41.4dBとなった。空気が抜ける背面側は多少動作音が大きくなるが、それでも全体としてファンの音がほとんど気にならないレベルの静かさだ。NocutaのCPUクーラーとファンによる静音性と冷却性の高さはさすが。
非常に満足度の高い小型ゲーミングPC
性能、見た目、サイズ、静音性、冷却性のどれもハイレベルにまとまっている小型ゲーミングPCだ。重量級ゲームも余裕で遊べる本格派の性能を持ちながらコンパクトで静か。老舗BTOメーカーらしく、CPU、GPU、メモリ、SSD、電源、CPUクーラーとも選択肢が豊富で好みのスペックに仕上げやすいのも大きな強み。高い満足度をもたらしてくれる1台だ。

マイナビニュース

「ゲーミングPC」をもっと詳しく

「ゲーミングPC」のニュース

「ゲーミングPC」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ