シーズン到来! “価格派”と“こだわり派”に分かれる扇風機選び - 古田雄介の家電トレンド通信
2025年5月4日(日)13時30分 マイナビニュース
今回は、ジョーシン浦和美園イオンモール店を訪ね、扇風機の売れ筋を取材しました。
例年、扇風機が家電量販店に並ぶのはゴールデンウィーク前。日中に屋外にいたら汗がにじむようになる時期です。取材した4月24日は、まさしく今年度の扇風機が並び始めたところで、今後もいくつかのモデルの登場が見込まれています。いわば扇風機シーズンの序章ですが、このタイミングから売れているモデルを紹介してもらいました。
扇風機の買い方について、同店の主任スタッフである應田友輝氏は「例年の消費物として割り切って低価格なモデルを買っていく方と、風のやさしさや静かさ、電気代などを比較検討して選ぶ方に分かれます。同じ扇風機でも、両者を比較検討する場面はあまり見かけません」と言います。
二極化しつつも、暑さが増していくなかで売れているモデルにはどんな特徴があるのでしょうか? 應田氏に挙げてもらった「扇風機選びの3ポイント」を踏まえて、直近の人気ランキング5を追っていきましょう。
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夜に長時間使うなら、静音で消費電力が低いDCモータータイプがベター。
扇風機疲れしやすいなら、羽根が多いモデルを選ぼう。枚数が多いほど柔らかい風になる。
そのうえで付加機能も要注目。風量を自動調整してくれる温度センサー付きモデルや、室内干しに便利なイオン発生機能付きモデルもある。
※本文と写真で掲載している価格は、2025年4月24日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:1.4万円で12年使えるパナソニック「F-C324C」
一番人気に挙げられたのは、前評判の段階から注目されているというパナソニック「F-C324C」でした。自然風に近い1/fゆらぎの風を起こす7枚羽根を採用したACモータータイプで、2025年4月下旬発売の新モデルとなります。取材時には14,080円の値札がすでに貼られていました。
「大手メーカーの扇風機で、設計標準使用期間が12年と長く、そのうえで手が出しやすい価格というところが人気の理由ですね」
あらゆるものが値上がりしている昨今、扇風機も昨年と比べて「全体では1,000円くらい値上がりしています」とのこと。そのなかで、リーズナブルさより強く刺さる傾向もありそうです。
同率第2位:部屋干しにも活躍するシャープ「PJ-T3DS」
続く2位は、2製品が並んでいます。そのうちのひとつが、シャープの7枚羽根DCモーターモデル「PJ-T3DS」です。プラズマクラスター7000を搭載し、上向き90度の角度調節もできます。取材時の価格は22,000円でした。
「普通の扇風機としてもDCモーターで便利ですが、室内干しの送風機としても重宝します。真上に向けてプラズマクラスターの風が送れますから。設計標準使用期間も10年と長いですし、指名買いが多いですね」
同率第2位:DCモーター&8枚羽根搭載の日立「HEF-DL300G」
もうひとつの2位は、日立グローバルライフソリューションズのDCモーターモデル「HEF-DL300G」です。8枚羽根を採用し、低速回転による「うちわ風」モードが使えます。設計標準使用期間は10年で、取材時の価格は24,800円でした。
「省エネで回転数の細かな調整が可能なDCモーターを使い、多めの羽根でやさしい風が送れるということで評判ですね。風を直接体に当てても疲れにくく静かということで、そこを重視する方はたくさんいらっしゃいます」
第4位:デザインが一際目立つC:NET「CFAF606」
4位はC:NET(シィー・ネット)の5枚羽根ACモーターモデル「CFAF606」がランクインしました。スタンドパイプにモードや風量をLEDで表示する外観が特徴的で、ブラックとホワイトの2色を展開しています。設計標準使用期間は6年。取材時の価格は8,480円でした。
「ほかの扇風機とは少し違ったデザインを気に入って購入される方が多くいらっしゃいます。比較的若い方に人気がありますね」
第5位:複数台買いもされる5,000円切りモデル、C:NET「CFMW106」
5位は、C:NETでさらに安価な5枚羽根ACモーターモデル「CFMW106」です。リモコン非搭載で、タイマーや風量をスタンドのボタンやダイヤルで調整するデザインを採用しています。設計標準使用期間は6年。取材時の価格は4,380円でした。
「昔ながらのデザインで、価格的にもひと夏過ごすアイテムとしてパッと買っていく人がたくさんいらっしゃいます。価格で割り切って買われていく側のヒットモデルといえます」
はみ出し情報・・・サーキュレーターの定番人気は「サーキュレーターアイ DC JET」
扇風機に関連して、サーキュレーターの売れ筋も尋ねました。應田氏が挙げたのは、アイリスオーヤマの「サーキュレーターアイ DC JET KCF-SDC15T」。15cm長の3枚羽根を備えるDCモータータイプで、上下左右の自動首振り機能を備えています。取材時の価格は16,280円でした。
「アイリスオーヤマさんのサーキュレーターは部屋の隅々まで風がしっかり届くと評判です。こちらは19畳までがお勧めの広さになりますが、今後はもう少し広めの部屋に向いたモデルも登場する見込みで、そちらも人気が出そうです」
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら