テックトピア:米国のテクノロジー業界の舞台裏 第29回 AIを使いこなすZ世代の新社会人、世代間ギャップで解雇されるリアル

2025年5月7日(水)7時0分 マイナビニュース


5月といえば、日本では「五月病」なんて言葉があり、最近は入社したばかりの新卒の退職代行サービス利用がニュースになったりしていますが、解雇が日常的に起こる米国では逆のケースが見られます。
雇用主世代とZ世代のすれ違い
Intelligentの調査によると、2024年に採用した新卒社員(主にZ世代)について、なんと雇用主の75%が「期待外れだった」と感じ、6割が「解雇せざるを得なかった」と回答しています。
これは、採用決定に関わる966人のビジネスリーダーへの質問から見えてきた声です。そうした経験から、新卒者の採用に消極的な経営者が6人に1人にのぼるという、厳しい現実が示されています。
その理由としては「プロ意識の欠如」「自己管理ができない」「コミュニケーション能力が足りない」「主体性がない」などが挙げられています。さらに、職場環境への適応力や、指示された業務をやり遂げる力に不安を感じるという声も聞かれました。
ただ、これはあくまでも雇用主側の視点です。この問題の背景には「会社への忠誠心」や「滅私奉公」といった価値観を重んじる団塊世代・X世代と、プライベートやメンタルヘルス、ワークライフバランスを大切にするZ世代との、価値観の深いギャップがあるように思えます。
たとえばZ世代の「頻繁なフィードバックを求める姿勢」は、上の世代から見ると「依存的」に映ったり、「カジュアルな態度」が「リーダーシップへの敬意の欠如」と見なされることもあるようです。でもこれは、単なる甘えではなく、コミュニケーションスタイルや働き方に対する期待の違いが生むすれ違いなのかもしれません。
見方を変えると、これは今日の多くの雇用主にとって大きな分岐点です。Z世代を受け入れるなら、彼らの価値観に合わせて組織や働き方そのものを少なからず見直す必要が出てきます。しかしそれは、雇用主世代にとって、これまでの自分たちのやり方を否定するような変化でもあるのです。
けれども、Z世代はこれから社会で活躍する主役になっていきます。2030年には、働く人の約3割がZ世代になるとも言われています。「最近の若者は……」と切り捨ててしまうのは、短期的には良くても、長い目で見たらプラスにはなりません。
Z世代にまつわる話題で4月に密かに注目を集めた生成AI関連のニュース
さて、そんなZ世代にまつわる話題で、4月に密かに注目を集めた生成AI関連のニュースがありました。OpenAIとAnthropicが、期末試験を控えた米国の大学生を対象にそれぞれのサービス利用を促す取り組みを発表しました。日本ではあまり報道されませんでしたが、この動きは時代の転換点を感じさせるものでした。
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