Googleがビジネス向けアプリ「Vids」を発表…AIで簡単に動画作成&スプレッドシートなどの連携も可能

2024年5月16日(木)20時50分 All About

GoogleはAIを活用した動画作成ツール「Google Vids」を発表しました。このツールにより、動画作成にかかる時間と労力を大幅に削減できることが期待されています。Google Vidsの機能や概要についていち早く解説します。(サムネイル画像出典:monticello / Shutterstock.com)

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Google Vidsとは?

Googleは新たなビジネス向け動画作成ツール「Google Vids」を発表しました。
動画の編集、画面構成、ライティング、ナレーションなど、動画作成に必要なツールが1つにまとまったウェブツールであり、ウェブブラウザからアクセスして使用することが可能です。

Google Vidsの機能概要

Google Vidsでは、AIが簡単に編集できるストーリーボードを生成し、ユーザーに対して動画スタイルを提案してくれます。ユーザーがスタイルを選択すると、ストックビデオや画像、BGMを組み合わせて、提案されたシーンに沿ったドラフトを作成してくれます。
Google Vidsを紹介するムービーによると、動画作成のフローは以下のようになっています。

1.

「〇〇の動画を作りたい」とテキストで入力すると、AIが動画の概要を示してくれます。

2.

動画のスタイルを選択します。

3.

ナレーションの原稿を入力します。

4.

ナレーションを読み上げる音声を選択します(「アメリカ英語、エネルギッシュ」、「イギリス英語、フレンドリー」など、言語や声質を選択します)。

5.

挿入したい動画や画像をストックから選択します。

6.

Google Docs(ドキュメント)、Slides(スライド)、Sheets(スプレッドシート)などのGoogle Workspaceアプリと連携して、資料やプレゼンテーションを動画に取り込むことができます。

ブラウザから操作するクラウド形式であるため、他のユーザーと共同で編集作業を行うことが可能です。

Google Vidsの目的は?

AIによる動画生成ツールでは、他にもOpenAIによるSoraが2024年2月に発表されています。こちらは人物や背景などを文章で指示すると、複数の人物や特定の動き、対象と背景の正確な詳細を組み合わせた複雑な動画(最長1分)を生成できます。
非常に有望なツールではありますが、現状ではビジネス向けの仕様とは見られていません。
一方、Google Vidsは製品プロモーションや研修動画などの作成を目的としており、動画生成AIの中でもビジネスツールという立ち位置で提供されると考えられます。実際、Google Vidsはビジネス用グループウェアであるGoogle Workspaceから利用可能になる予定です。

利用開始時期や料金プラン

Googleは本サービスのテスト版をWorkspace Labs(ユーザーに生成AIによる新しい検索体験をテストしてもらうためにGoogleが提供を開始した開発初期段階のプログラム)で2024年6月から公開する予定です。
正式版はGoogle Workspaceから利用可能になる予定であり、正式版の具体的な公開時期や料金はまだ発表されていません。
Google Workspaceの料金プランは以下となっています。

ただし、現在の料金プランのままでGoogle Vidsが利用可能になるかどうかはまだわかっていません。

Google Vidsに期待したい点

Google Vidsの実際の使用感はまだわかりませんが、対話式AIのようにテキストによる指示でさまざまな要望を反映させることが期待されます。
例えば動画の完成後に動画が長すぎると感じたら「もう1分短くして」と指示したり、視聴者のレベルに合わせて「ビギナー向けにして」と指示したりと、完成後の微調整が容易であれば、Google Vidsの需要は非常に高いものになると考えられます。

動画生成AIは今後、どうなっていく?


AIを活用した動画作成ツールは、まだ登場したばかりの新しい技術ですが、今後AIの進歩とともにさらに進化していくと予想されます。
Google Vidsではユーザーによるいくつかの操作ステップが必要ですが、今後ユーザーが台本や箇条書き程度の情報を入力するだけで、AIが映像、音声、音楽、効果音などを自動的に生成するようになると思われます。
また、AIがユーザーの過去の動画作成履歴や、ソーシャルメディア上の投稿などを分析し、ユーザーの好みやニーズを把握することで、それらを反映したより個性的な動画を生成できるようになるでしょう。
さらに将来的には、リアルタイムで動画を生成する(ライブ動画をリアルタイムで編集・配信する)、仮想空間内で動画を生成する、感情や意図を理解して、ユーザーに寄り添った動画を生成するといった技術も実現する可能性があります。
動画生成AIの進化は、情報発信のあり方を大きく変革する可能性を秘めています。
(文:福田 正人(インターネットサービスガイド))

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