海外モバイルトピックス 第430回 薄型スマホ時代到来! 5.8mm厚の「Galaxy S25 Edge」が海外登場
2025年5月16日(金)16時45分 マイナビニュース
サムスンから「Galaxy S25 Edge」が海外で発表されました。2025年1月にグローバルで発売され日本でも販売中のGalaxy 25シリーズの最新モデルですが、このGalaxy S25 Edgeは機能を強化したスマートフォンではなく、本体のスタイルに特化した製品。業界最薄クラスという5.8mmの厚さを実現しています。なお現時点ではアメリカ、韓国など一部の国での販売のみで、日本への投入は未定です。
最近のスマートフォンは画面サイズの大型化が進んでおり、6インチ台後半の大きさのモデルが大半を占めています。サムスンのGalaxy S25シリーズも最上位モデルの「Galaxy S25 Ultra」は6.9インチ、日本未発売モデルの「Galaxy S25+」は6.7インチです。動画視聴利用が増えるにつれ、大きい画面のモデルの需要が広がっています。Galaxy S25 Edgeも同様に6.7インチの画面を搭載したスマートフォンです。
しかし大型画面のモデルはどれも重く、Galaxy S25 Ultraは218g、Galaxy S25+は190gです。Apple製品を見ても「iPhone 16 Pro Max」は6.9インチ画面、227gです。Galaxy S25 Edgeは本体を薄くすることで質量も軽減し、163gというこの画面サイズクラスではかなり軽いモデルとなっています。
そして一般的なスマートフォンの本体厚さは7から8mm台であるのに対し、Galaxy S25 Edgeは5.8mmの厚さとなっています。過去にも5mm台の厚さのスマートフォンはありましたが画面サイズは6インチ以下。6.7インチの大きな画面でこの薄さのモデルは現時点ではGalaxy S25 Edgeのみです。
なお、近年では2016年に発売されたモトローラの「moto Z」が5.2mm、134gという薄型軽量の先駆けモデルでしたが、画面サイズは5.5インチと今から見ると小型です。またmoto Zは背面に様々なアタッチメント「moto mods」をマグネットで貼り付ける構造のモデルであり、標準でも背面の装飾カバーが付属していました。そのためこの薄さのまま使うユーザーは少なかったようです。
Galaxy S25 Edgeは薄くて軽く大画面であることから、たとえば長時間の動画の視聴時も本体を片手で持っていても腕が疲れにくいでしょう。ソファーやベッドで横になりながらGalaxy S25 Edgeを持ってSNSを使うときも、本体の重さをあまり感じずに使うことができます。スマートフォンの使い勝手は確実に高まるでしょう。また外出する時もより気軽に持ち出せます。
機能面ではGoogleの「Gemini」や「かこって検索」に対応。サムスン開発のGalaxy AIによる文章の要約や翻訳、画像の不要オブジェクト消去などの機能も充実しています。たとえばオーディオ消しゴムは撮影した動画に入ってしまった風の音など不要なサウンドを消去できる機能で、SNSへの動画アップもより捗ります。
一方で本体が薄いことからバッテリーの容量は3,900mAhと、一般的なスマートフォンより約2割減少。スタイルとのトレードオフとなっています。オフィスワークなどで外出が少ない人などにはあまり気にならない点かもしれませんが、1日中外を動き回る人や、スマートフォンのパワーユーザーにはバッテリーの持ちがやや心配なところでしょう。
さて、薄型モデルは今後他社からも出てくるのでしょうか? 巷ではAppleがこの秋に薄型モデルを出すのではと言われています。Appleは4つのメインモデルを出していますが、デザイン面では大きな差がなく、新しいユーザー開拓のためにも新デザインの製品投入が求められているかもしれません。
最近ではゲーミングスマートフォンとして「REDMAGIC 10 Air」がnubiaから登場しています。厚さは7.85mmと数字だけを見るとそれほど薄くはないものの、ハイスペックなゲーミングモデルで内部に9層冷却機能を搭載していることを考えるとかなり薄いモデルと言えます。
新興国に強いTECNOも今年2月にコンセプトモデルながら「SPARK Slim」を発表しました。SPARK Slimは画面サイズが6.78インチ、厚さ5.75mm、質量は146g、バッテリーは5,200mAh。このまま発売されても十分実用的なモデルになるでしょう。
実は折りたたみスマートフォンは開いたときの厚さが4mm台であり、ファーウェイの「Mate XT Ultimate Design」は最薄部が3.6mmと極限まで薄くなっています。ただしこの厚さはヒンジを使って複数の画面をつなぎ合わせる構造で強度を保つことができる折りたたみモデルだから実現できるもの。一般的なストレート形状のモデルでは3mm台の厚さは現時点では実現は難しそうです。
Appleの薄型モデルは5.75mmになるとも噂されており、今年から来年にかけてはこの薄さをどこまで減少できるか、他のメーカーも含めた薄型競争が始まるかもしれません。薄型モデルがスマートフォンの次のトレンドになるのかどうか、注目です。
山根康宏 やまね やすひろ 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1,800台に達する。公式サイト:http://www.hkyamane.com/ この著者の記事一覧はこちら