2027年から適用の新リース会計基準、企業に与える影響と実務対応
2025年5月20日(火)7時0分 マイナビニュース
2027年4月1日以降に開始する事業年度から適用が開始される「新リース会計基準」をご存知の方はいるだろうか?実は、すでに2025年4月1日以降に開始する事業年度から早期適用が可能になっている基準だ。
“経理部門だけの話”と高を括っていたら痛い目を見るかもしれない。今回、同基準を先駆けて自社への早期適用を進めている、マネーフォワード グループCAO(経理本部長)の松岡俊氏に新リース会計基準に対して、企業が取るべき今後の対応などを伺った。
新リース会計基準とは?
そもそも日本の新しいリース会計基準は、IFRS第16号や米国会計基準のTopic 842といった、国際的に既に適用されている主要な会計基準を基礎とし、国際的な財務諸表の比較可能性向上などを考慮して開発されたもの。
松岡氏は「リースの扱いは、日本基準と国際的な会計基準との間で長年大きな差異となっていましたが、今回の改正により、この差異が大幅に縮小されることになります」と述べる。
従来の日本の会計基準において、リース取引は主に「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」に分類されていた。このうちオペレーティング・リース取引では、借り手は支払リース料を費用として処理するのみであり、B/S(貸借対照表)に当該リースに関連する資産や負債を計上する必要はなかった。
しかし、オペレーティング・リースとして処理される取引の中にも、実質的に企業が特定の資産を長期間使用し、それに対する支払い義務を負っているケースが多く存在した。そのため、リース取引の透明性を高めて財務諸表の利用者に企業の実態を正確に伝えるために新リース会計基準が制定された。
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