最新レッツノート「SC」はより頑丈・軽量に。フルモデルチェンジでどう変わった?
2025年5月28日(水)19時0分 マイナビニュース
パナソニック コネクトは5月27日、同社製ノートPC「Let'snote」(レッツノート)の新モデル「SC」シリーズおよび「FC」シリーズを発表した。
コロナ禍を経てリアル出社への回帰やモバイルPCへの移行、ハイブリッドワークの浸透が広がるなかで、ビジネスPCを常に持ち運ぶユーザーや企業のIT管理者をより適切にサポートする新製品といいい、レッツノートの「頑丈」「軽量」「長時間駆動」という3つの基本コンセプトを「徹底的に追求した」という。
○12.4型のSCシリーズ、14.0型のFCシリーズ
12.4型のSCシリーズは個人向け、法人向けの両方で提供。14.0型のFCシリーズは法人向けのみの提供となる。2モデルのハードウェア・ソフトウェアは高い「互換性」を備えており、画面サイズに関するもの以外は全て共通の部品を採用。IT管理者が2機種まとめて導入しやすいポイントとする。
CPUを含め部品を共通化している関係で、2つのモデルのハードウェア的な特徴はほぼ同じだ。今回の新モデルは内部やインタフェースを大きく変更した“フルモデルチェンジ”製品で、大きな特徴は下記となる。スペックなどの詳細はニュース記事「レッツノート2025年夏モデルで12.4型「SC」が新登場、よりタフ&長時間駆動に」で紹介しているのでご参照いただけると幸いだ。
●MIL-STD-810Hに基づいた品質試験を追加
●従来モデルから20gの削減(SCモデル)
●バッテリー増量かつ省電力化で長時間駆動
●画面サイズ関連以外の部品を共通化
「頑丈」を特徴の1つとするレッツノートは従来から独自の品質試験を実施してきたが、SCおよびFCでは新たに、米国防総省の調達基準である「MIL規格」(MIL-STD-810H)に基づいた試験を追加した。例えば76cm・26方向の落下試験が行われており、これをクリアするため、側面全体を保護するクッションを内部に追加したほか、強度を増す構造体を実現するためのシミュレーションを重ね、背面のネジ留め位置を改善している。
○VGAの搭載がついに廃止。その理由は?
軽さについては素材にマグネシウム合金を採用し、インタフェースからVGA端子やSDカードスロットを省くなどして最適化することで、本体が約919gという軽さを実現。またバッテリーパックを樹脂で覆う構造から薄肉アルミニウム素材に変更し、取り付けをネジ式とすることで内部空間を拡大して、バッテリー容量自体も増加した。さらにバッテリー駆動時は輝度を70%にすることで省電力化も進め、これらにより動画再生で約12.7時間の駆動時間が可能となっている(JEITA 3.0測定)。
なおVGAの廃止は「HDMIに切り替えている顧客が多い」、SDカードスロットの廃止は「法人顧客の多くから、昨今のセキュリティリスクを鑑みて削除要請が多かった」ためと、市場の総合的なニーズを考慮して非実装としたとのこと。
○「共通化」は管理の手間を減らす工夫
さて、上で紹介したようにSCとFCは画面サイズに関する部品以外は共通のパーツが使われている。基板や冷却ファン、タッチパッド、スピーカーなどだ。これはIT管理業務者の「管理工数を減らしたい」という要望に応えたもので、ハードウェアの「互換性」を徹底したことで、12.4型のSCと14型のFCの2機種を同時に導入する場合でも、機材の評価や問い合わせ対応、キッティング環境更新といった導入・保守管理運用の工数を(2台個別に行うより)大幅に削減できることがメリットとなる。
プロセッサは個人向けではCore Ultra 7 255HまたはCore Ultra 5 255U、法人向けではCore Ultra 5 235U vProまたはCore Ultra 7 265H vProを採用。従来からCPUを新しくしたことで冷却機構も改善し、ファンからの排気スペースを拡大した。
FCとSCは筐体が共通化されているぶん、それぞれの立ち位置がわかりにくいかもしれない。パナソニック コネクトでは12.4型のSCは基本的に持ち運んで使う用途を想定し、14型のFCは(SCより持ち運びの頻度が低く)在宅やオフィスなど長時間据え置いて使う用途を想定しており、業務に応じた使い分けが可能だとする。
レッツノートは2025年で29年目を迎え、2024年度は過去最高の販売金額を達成したという。同社は「ユーザーのビジネスに貢献するため、さらなる技術革新と互換性の向上に努めたい」とした。