ソニー、EVFがチルトするフルサイズシネマカメラ「FX2」 静止画も撮れる 約41.7万円

2025年5月30日(金)8時30分 ITmedia NEWS

 ソニーは5月28日、フルサイズイメージセンサー搭載レンズ交換式カメラ「FX2」を発表した。映像制作用カメラ「Cinema Line」の新商品で、チルト可能なEVFのほか、FXシリーズ初となるAIプロセッシングユニットによる高速AFを特徴とする。価格は41万6900円で、8月1日に発売する。
 動画撮影時で有効約2760万画素、静止画撮影時で有効約3300万画素の裏面照射型フルサイズセンサー「Exmor R」を搭載し、映像エンジンは「BIONZ XR」。ISOは常用100〜5万1200、拡張で100〜10万2400だが、ISO800とISO4000の2つのベースISO感度を持つデュアル・ベースISO機能により、暗所でもノイズの少ないクリアな映像を撮影できる。S-Log3での撮影時は15+ストップのダイナミックレンジで記録可能だ。S-Cinetoneも搭載する。
 フルサイズは4K30p(全画素読み出しによる7Kのオーバーサンプリング)、APS-C/Super 35mmモード時で4K60pの撮影が可能。フルHDは最大120pまで記録できる。4:2:2 10bitでの記録が可能。AIプロセッシングユニットにより、人物の骨格や姿勢などの詳細に基づいた人物認識に加え、動物や昆虫、乗り物など人物以外の被写体も認識する。これにより瞳だけでなく人間の胴体、頭部の位置をより高精度に認識できる「リアルタイム認識AF」や、被写体の自動追尾を行う「リアルタイムトラッキング」の性能が向上している。
 3つのLogモード「Cine EI」「Cine EI Quick」「Flexible ISO」を搭載。Cine EIはベースISOを800と4000で切り替えでき、Quickは選択したEIに連動して、カメラが自動的にベースISOを切り替える。Flexible ISOは、AUTOもしくは常用ISO800(拡張ISO200)から5万1200(拡張ISO10万2400)まで選択可能。すべてのLog動画撮影モードで、最大16種類のLUTを当てた映像をカメラモニターに表示でき、ポストプロダクション後の仕上がりをイメージしながらの撮影が可能だ。
 また、映像制作用カメラでありながら、約3300万画素での静止画撮影が可能。10コマ/秒の連写機能にも対応している。S-Log3のガンマカーブを適用したJPEG、HEIFでの静止画Log撮影も可能で、ポストプロダクション編集においてLUTを適用できる。
 本体サイズは高さ約77.8mm×幅約129.7mm×奥行約103.7mmで、冷却ファンを内蔵しながら約679gと小型軽量を実現した。5段のボディ内手ブレ補正ユニットを搭載し、アクティブモード/ダイナミックアクティブモードに対応。手持ちでの撮影を強力にサポートするという。ボディにアクセサリー取付用ネジ穴があり、ケージがない状況でもさまざまな周辺機器を直接装着できる。
 外観の特徴にもなっている上90度まで調節可能なチルト式のEVF(368万ドット)を搭載し、撮影スタイルに応じてファインダーの角度を変えられる。デジタルシネマカメラ「VENICE」シリーズと同様のUI「BIG6」を採用し、絞りやISO、フレームレートなどの情報を集約してタッチ操作で素早い確認・変更を可能にしている。メモリカードはSDカードスロットをデュアルで搭載。片方のスロットはCFexpress TypeAに対応する。5GHz Wi-FiやUSB Type-C(10Gbps)に対応。ソニーのクラウド制作プラットフォーム「Creator's App」も利用可能だ。

ITmedia NEWS

「カメラ」をもっと詳しく

「カメラ」のニュース

「カメラ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ