カイロス2号機現地取材 - 2日連続の延期、そのとき公式見学場は……
2024年12月17日(火)7時0分 マイナビニュース
既報のように、カイロスロケット2号機の打ち上げは、残念ながら2日連続の延期となってしまった。ちょうど週末だったということもあり、遠方から子供連れで打ち上げ見学に来ていた人も多く、見られずに帰るのは気の毒だったが、ロケットの打ち上げに延期は付きもの。こればかりは仕方ないところだ。
筆者は2日とも、公式見学場である旧浦神小学校で取材。当初の予定だと、見学場の様子は打ち上げ後に記事にまとめようと思っていたのだが、打ち上げまで少し間が空いてしまったので、まずは延期当日の様子を先にお伝えすることにしたい。
打ち上げ見学初日(12月14日)
最初の打ち上げ予定日だった12月14日(土)。筆者は早朝、報道陣向けに用意されているはずのバスがなぜか手配されていなかったというトラブルに見舞われたものの、8時前に旧浦神小学校に到着。事前に入場チケットは購入してあったので、受付でそのQRコードを示し、記念品を受け取った。
旧浦神小学校は、グラウンドエリアと漁港エリアの、2カ所で打ち上げを見ることが可能だ。グラウンドエリアは、大型スクリーンでライブ中継もあり、イベント感を満喫できる。一方、漁港エリアは射場により近く、打ち上げの迫力を堪能したいのであれば、こちらもオススメだ。
打ち上げ見学の楽しみの1つは、出店での買い物である。今回も、地元ならではの食べ物やお土産がたくさん並んでおり、待ち時間に見るのにちょうど良かった。筆者は、カイロスTシャツや、じゃばら果汁の竜田揚げなどを購入した。
さすがに打ち上げ予定の11時まで3時間もあるので、筆者が到着した時点ではまだ人は少なかったものの、鉄道やバスの到着でどんどん人が増え、打ち上げが近くなるとグラウンドは人で溢れかえった。入場チケットの定員は2,500人だったので、そのうちかなりの人が集まったのではないだろうか。
しかし、スペースワンは10時半ごろに打ち上げの延期を発表。会場の大型スクリーンでそれが伝えられると、周囲からはがっかりする声が上がった。筆者は急いで荷物を撤収して帰路につき、翌日に備え、夜は早めに就寝した。
打ち上げ見学2日目(12月15日)
種子島での打ち上げだと、当日に延期になった場合、次は早くても3日後になるのだが、カイロスはまさかの翌日スライド。基本的に前日と同じスケジュールのため、今回も5時起きで行動を開始した。ただ、この日はJRの始発で見学場へ向かった。鉄道でロケットの打ち上げを見に行けるというのが、カイロスの面白いところである。
見学場の最寄り駅は、紀伊浦神駅となる。筆者は宿泊先そばの紀伊勝浦駅より乗車したが、わずか15分で到着するという近さはすごく便利だ。紀伊浦神駅では、記念のステッカーが配布。そのほか、駅舎は新しく塗装されており、新たな観光の目玉として、地元からの期待の高さがうかがえる。
今回は翌日への延期で、しかもそれが日曜ということもあって、わりと来やすい条件ではあったものの、それでも前日に比べると、来場者はかなり減った印象。出店も少し減っていたが、ただ、初号機の延期では撤去されていた大型スクリーンが、今回はまだ残っていたのは良かった。
この日も、現地の天候は快晴。絶好の打ち上げ日和なのだが、問題は地上の天候ではなく、高度10kmあたりの高層風である。事前に調べた感じでは、前日からそれほど弱くなった感じでは無かったので、ちょっと気になっていたのだが、やはり前日と同じように、10時半ごろに延期が発表されてしまった。
今度も注目は高層風か?
そして次の打ち上げ日は、18日(水)に決まった。今度は平日ということもあり、来るのが難しいという人も多いだろうが、それよりも、とにかく気になるのは高層風の状況である。WindyというWEBサイトで予報を確認すると、18日11時はやや弱まりそう。19日と20日にはさらに弱まるが、それ以降は再び強まるという傾向になっている。
以下のURLでは、射場近辺の上空10kmの予測を見ることができる
https://www.windy.com/?250h,34.982,131.107,5,m:eA3ajVE
地上の天候はしばらく問題なさそうな予報なので、18日に打ち上げられるかどうかは、高層風次第となりそうだ。筆者はとりあえず打ち上がるまで那智勝浦町に滞在するつもりでいるのだが、なるべく早く打ち上がることを期待したい。