中国の工業製品が欧州市場にあふれるようになるまであとどのくらいか―独メディア
13日、独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「中国の工業製品が欧州市場であふれるようになるまでにあとどれぐらいか」と題した独紙ディ・ベルトの記事を紹介した。写真はブレーマーハーフェン。
2024年3月13日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「中国の工業製品が欧州市場であふれるようになるまでにあとどれぐらいか」と題した独紙ディ・ベルトの記事を紹介した。
記事によると、同紙は中国の電気自動車(EV)大手BYD初の自動車専用船「探索者1号」が2月にドイツのブレーマーハーフェン港に向けて初航海を行ったことを紹介し、EV、消費財、工業製品の国内販売が行き詰まり、国有企業の生産能力が過剰となっている中国が新たな活路として欧州市場を狙っていることの表れだと評した。
そして、技術的にはBYDのEVがドイツ車と同程度の性能である一方で価格がはるかに低くなっており、そのドイツ市場参入は現地の基幹産業への攻撃の前兆であると指摘。BYDが今後数年間で欧州向けの自動車輸送船7隻を調達する計画だとした。また、EV分野におけるBYDの動きはあくまで「波の一つ」に過ぎず、今後あらゆる工業製品分野で中国の商品が低価格を武器にドイツ市場を席巻することになり、現地の企業や政治家はこの課題に対する新たな答え探しを余儀なくされるだろうと伝えた。
その上で、在中国EU商工会議所のイェルク・ブットケ会頭が「過剰生産能力は計画経済の象徴であり、中国政府は15年前にこの問題に気づいていたが、何もできなかった。なぜなら、過剰生産能力の主な責任を負っているのは国有企業であり、雇用確保の観点から国有企業は簡単に潰せないからだ」と指摘するとともに、最近では生産過剰が環境技術分野でも生じているとの見方を示したことを紹介した。
記事は「もし、生産過剰により国内で売れなくなった中国製品がコスト以下の価格でますますたくさん世界市場に流れ込むようになれば、貿易問題の緊張も高まり続けるだろう。これにより中国企業がもうけられなくなれば、研究への投資が減り、納税額も減る。そうなれば、中国政府が掲げる5%の成長目標は人々にとって頭痛の種になるかもしれない」と論じた。(翻訳・編集/川尻)
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