北、鉄道緑化事業に国民反発
北朝鮮当局は最近、「鉄道の線路際に木を植えよ」という指示を下した。これが、地域住民の強い反発を呼んでいる。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)では、線路際に10メートル間隔で高さ2メートルの木を植えることになった。現地のデイリーNK内部情報筋によると、これは、中央から下された「鉄道周辺を樹林化することについて」という指示に基づくものだ。
咸鏡南道(ハムギョンナムド)の内部情報筋も、現地で同様の指示が下され、各職場や人民班(町内会)にノルマが割り当てられたと伝えた。
ところが、これが強い反発を呼んでいる。
清津市内を通る鉄道の長さは平羅線だけでも78キロ、支線まで含めると90キロを超える。指示の範囲がその全てかどうかは定かでないが、一部だけだとしてもとてつもない作業量であり、市民の苦労は想像を絶する。
植林は、食糧生産にも悪影響を与える。
「農場管理イルクン(幹部)ですら『わが国(北朝鮮)の線路周辺はほとんど農地で、穀物を植えていたのに、そこに木を植えろとはどういうことか』と不満の声を上げた」(情報筋)
「耕地面積が多いわけではないのに、それを増やすどころか(木を植えて)減らすなんて、逆賊行為だ」という激しい非難の声も上がった。
金正恩党委員長は2012年、朝鮮労働党の政治局会議で「10年以内に失われた山林を復旧し、全国の樹林化、原林化、果樹園化を完工させる」という方針を打ち出し、植林事業を推し進めた。開墾などで山林が失われたことで、自然災害が多発し、国全体に著しい悪影響を及ぼしているからだ。
ところが、庶民から耕作地を奪うなどの強引なやり方が反発を招き、プロジェクトは順調に進んでいない。
強引なやり方は、悲惨な事件にもつながっている。
しかし、今回の植林事業は山ではなく線路際であることから、「緑化事業ではなく美観事業ではないか」との指摘がなされている。
板門店での南北高位級会談に、鉄道省のキム・ユニョク次官が参加していることから、分断されていた南北の鉄道を再びつなぐことが議論にあがると予想されている。
つまり、南北で連結された鉄道で韓国人がやってくるようになったとき、線路周辺のごちゃごちゃした様子を見せるのは恥ずかしい、つまり「ええかっこしい」の疑いがあるということだ。先日行われた咸鏡北道豊渓里(プンゲリ)の核実験場爆破に外国記者団を招待するにあたっても、線路や周辺施設の工事が行われた。
ただ、住民の反発が強いことから、植林の範囲は一部に留められるとの見方もある。
情報筋は「幹線、支線すべての周囲を樹林化するなどありえない。忠誠心を引き出すために、1号線(金正恩氏が利用する路線)に指定された線路を中心に木を植えるものと思われる」と述べた。
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