北朝鮮で一般国民に対するコロナワクチン接種開始
特権層や税関職員など、対象者がごく一部に限られていた北朝鮮の新型コロナウイルスワクチン接種だが、一般住民に対しても摂取が始まったと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
両江道(リャンガンド)の情報筋は、両江道防疫当局が23日から、恵山(ヘサン)市民に対してワクチン接種を開始したと伝えた。
金正恩総書記は8日に行われた最高人民会議(国会)の第14期第7回会議の施政演説で、「ワクチン接種を責任を持って実施する」と言及していたが、実際に接種が始まったと伝えられたのは今回が初めてだ。
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接種は市内の各洞(町)、人民班(町内会)ごとに行われ、地域担当の治療所から派遣された医師が町内を周り、一人ずつ接種を行い、リストにチェックを入れている。時間は毎日午前10時から午後4時までで、まだ全市民には行き渡っていないとのことだ。
今回のワクチン接種は、国境に面した地域で優先的に実施される。ただ、金正恩氏が国内での新型コロナウイルスの感染者発生を宣言した5月から、今まで全く動きがなかったのに、今になって実施する理由がわからないと首をかしげる人もいるという。
恵山では度々封鎖令(ロックダウン)が行われ、一切の外出が突然禁止されたことから、あらかじめ食べ物を調達できない人が続出し、餓死する人が相次いだ。そんな経験をした市民だけあって、今回のワクチン接種で本当にコロナの恐怖から脱することができるのか半信半疑だという。
同じ両江道の別の情報筋は、原因不明の肺炎で死ぬ人を多く見て、恐怖に震えてきた市民は、遅れたとは言え接種が始まったことを幸いだと考えていると伝えた。
一方、当局が「コロナとの戦争に勝利した」と宣言した後で、接種が始まったことに首をかしげる人もいるとのことだ。ちなみに、摂取されているのは中国製のものだ。
恵山を皮切りに、国境沿いの他の地域でも接種が始まるだろうが、それ以外の地域で接種が行われているかは確認できていないと情報筋は伝えた。
なお朝鮮中央通信や労働新聞などの主要メディアは、今回のワクチン接種開始について、今の時点では報じていない。
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