波紋を呼ぶ日本での決戦は「楽しい勝負に」 秒読み段階に入った井上尚弥戦はネリ陣営が強気に交渉か「制裁は解除するだろう」
井上との対戦を以前から待ち望んでいたとされるネリ。その交渉の行方が大きく動き出した。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images
大一番の開催決定は秒読み段階に入っている。現地時間1月8日、米スポーツ専門局『ESPN』は、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋ジム)と元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)が、今年5月に東京で対戦することで契約合意したとすっぱ抜いた。
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かねてから囁かれ、井上本人も「候補」としていたネリ戦の行方。このニュースをまとめたマイク・コッピンジャー記者によれば、「両陣営が契約合意したと関係者が明かした」と報道。そのうえで、試合開催の小さくない懸念材料だったネリが日本ボクシングコミッション(JBC)から命じられている無期限の国内活動停止処分についても、「問題になることはないと予想されている」と指摘した。
日本開催が決まれば、異例の処分撤回となる。ネリは2017年と18年にWBC世界バンタム級タイトルマッチとして山中慎介氏と対戦した際に、ドーピング違反と体重超過を犯し、王座から失墜。日本ボクシングコミッション(JBC)から事実上の永久追放となっている。
ただ、約5年の時が流れ、ネリも目に見える結果は残してきた。昨年には2月にアザト・ホバニシャン(アルメニア)を、7月にフローイラン・サルダール(フィリピン)をそれぞれTKOで撃破。11月のWBC年次総会で指名挑戦者となり、井上と対峙する正当な権利を手にしていた。
そうしたなかで、代理人を務めるギジェルモ・ブリトー氏が「この試合は非常に大きな期待を集めている。だから、彼らは制裁を解除するだろう。あの問題は彼の責任でもあるが、処分は行き過ぎだった」(メキシコ紙『La Jornada』より)と断言。日本での対戦実現に向け、強きに交渉を行ったと考えるのは想像に難くない。
一部で波紋を呼んでいる日本開催に向け、前進し続けるマッチアップには、米識者たちの期待も高まっている。米スポーツ専門局『CBS Sports』のルーク・トーマス記者は「なぜ永久追放が解除されるかは、まだ理解できていないが、問題はないのだろうか」と前置きしたうえで、「なんにせよ、今のネリは強打が打てる。本当に楽しい勝負になるかもしれない」と指摘した。
果たして、モンスターがいかに“悪童”を打ち破るか——。正式決定の一報を待つのみだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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