「ベルト返上か、俺か」井上尚弥に挑戦状の若武者グッドマンに米メディアはシビアな意見「番狂わせを起こせるかは疑問だ」

2024年5月12日(日)7時0分 ココカラネクスト

世界最強の呼び声が高い井上。彼に挑むグッドマンには厳しい意見も集まっている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 世界最強と言われる“怪物”に挑む、25歳の若武者に対する評価はシビアだ。去る5月6日に、井上尚弥(大橋)に挑戦状を堂々と叩きつけたサム・グッドマン(豪州)のそれである。

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 5月6日に東京ドームで行われたWBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)との決戦を制した井上。初回に人生初ダウンを奪われながら6回までに3度のダウンをもぎ取ってのTKOという圧巻の内容に4万3000人が熱狂した。

 激闘の興奮が冷めやらぬ中、無敗街道を突き進むカリスマが、リング上に自ら招き入れたのが、IBF&WBOスーパーバンタム級1位のグッドマンだった。井上から「9月ごろ、隣にいるグッドマンと防衛戦の交渉をしていきたいと思います」と言葉をかけられた25歳は「俺は1年以上もチャンピオンが戦うことを義務づけられている挑戦者だ。ベルトを返上するか、俺と戦うかだ」と力強く呼応。無敵の王者に牙をむいた。

 今後も両陣営による水面下での交渉は続いていくと見られる。だが、グッドマンが指名挑戦権を有していることを考えても、井上との対戦実現は有力と言っていい。

 無論、キャリア18戦無敗(7KO)で突き進んできたグッドマンはやる気十分だ。自身が契約する豪興行大手『No Limit Boxing』のXで「(井上に)勝つために必要なことを十分に見えた。もちろんベストなボクシングをしなければならないが、それさえできれば、あの男には勝てる」と豪語。世界が「怪物」と評する偉才にも臆する素振りは見せていない。

 では、下馬評はどうか。早くも出回っている世間の意見は井上の圧倒的優位が大半を占めている。米ボクシング専門サイト『Boxing News247』は、「イノウエのダウンは誰もが勝てるということを示していた」というグッドマンのコメントを紹介。そのうえで、諭すように辛辣な意見を寄せている。

「イノウエへの挑戦を前に『勝てる』と口にするファイターはグッドマンが初めてではないし、彼が最後というわけではないだろう。もちろん、ファイターは自分が勝てると信じなければならないが、果たして、グッドマンに井上相手に番狂わせを起こすために必要な道具があるだろうか? それは疑問だ」

 いまだ発展途上にあるグッドマンを“格下”と見る同メディアは、こうも続ける。

「たしかにネリのセンセーショナルなノックダウンは、多くのファイターに『正しく一発を決めれば、イノウエを止められる』と確信を抱かせた。しかし、そこから完全に気を取り直し、立ち上がってすぐに仕事に戻った井上の冷静さ、そしてプロ意識の高さは彼らにどう見えただろうか。どちらかといえば、顔面に被弾してからのイノウエのレスポンスは、彼を倒すことがいかに難しいかを我々に示すものだった」

 ただ、「危険と言われる試合ほど戦いたくなる」とも語るグッドマンにとって、井上への挑戦に対する批判的な意見は承知の上だろう。“逆風”の吹くなかで、日進月歩で進化を続けてきた豪戦士がどう挑むかは大いに注目したいところである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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