ストリートでの速さを取り戻したニューガーデン「オフでの努力にふさわしい勝利」/インディカー第1戦
3月10日、アメリカ・フロリダ州のセント・ピーターズバーグ市街地にて2024年NTTインディカー・シリーズ第1戦『ファイアストン・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ』の決勝レースが行われ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がポール・トゥ・ウインで自身30回目の優勝を飾った。
土曜日に行われた予選では、ライバルを0.0058秒上回る僅差でトップタイムをマークし、ポールポジションからレースをスタートしたニューガーデン。
2番手スタートのフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレン)や、終盤に首位争いを挑んだパト・オワード(アロウ・マクラーレン)らのプッシュも振り切り、ほとんどトップを譲ることなく2024年シーズンの開幕戦を制した。
レースを終えた直後、ヴィクトリーレーンでマシンから降りた2度のチャンピオン経験者は、公式インタビューにて喜びを語った。
「今日はすごく楽しかった。リラックスしながら走ることができた一日だったよ」
「レース中は、戦いを楽しみながら走ることができた。なんなら、最後の10周は落ち着きながら走れたんだ」
「今このヴィクトリーレーンにある僕のマシンが、一番美しいと思うほどにこの優勝が嬉しいよ」
ポール・トゥ・ウインで自身30勝目を飾った喜びを語るニューガーデン。2023年シーズンは、インディアナポリス500マイルレース(インディ500)を含む、計4勝をあげたが、そのすべてがオーバルレースのもので、ストリート/ロードコースでの速さはチームの課題となっていた。
その点について、「オフシーズンには、基本的なペースの向上に注力してきた。皆がチーム・ペンスキーに期待する実力が発揮できたと思うし、オフで努力にふさわしい勝利だ」と、今回の優勝で手応えを感じたという。
「今回、チーム・ペンスキーが1位、3位、4位を獲得することができたのも、皆がチームの努力に値する走りができたからだと思う。開幕前にはシボレーとともに、とても詳細に見直したからね」
「特に、去年苦手だったストリート/ロードコースのパフォーマンス向上にハードに取り組んだんだ」
ニューガーデンの語った通り、序盤にプライマリータイヤ(ハード)を履いた彼はレース開始直後、オルタネートタイヤ(ソフト)を履くローゼンクヴィストの猛追に飲まれることなく首位を維持。第2スティントで逆のタイヤ状況となった際にも、ライバルを寄せつけないペースをキープしながら、ソフトタイヤをマネジメントする余裕を見せた。
チームメイトのスコット・マクラフランとウィル・パワーも、8〜9番手のスタートから3位、4位にポジションを上げており、ペンスキー勢の優位は明らかだった。対して、2023年シーズンのストリート/ロードのレースで多くの勝利を重ね、アレックス・パロウがドライバーズタイトルを獲得したチップ・ガナッシ・レーシング勢は、予選決勝ともに一歩遅れる様相を呈している。
2024年のレースカレンダーでは、昨シーズンにチーム・ペンスキーが得意としたショートオーバルでのレースが増加した。今シーズンはストリート/ロードコースでの強さを取り戻したニューガーデンを筆頭に、オーバルも含めて彼らが優位にシーズンを進めていくのか。ペンスキー勢の速さは、シーズン序盤の注目ポイントのひとつとなりそうだ。
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