アルピーヌ、F1日本GPでアップデートを実施へ。改良版ウイングと新型フロアで0.3秒の改善を狙う
アルピーヌF1は積極的なマシンの開発計画を立てており、F1第4戦日本GPで最初のアップデートを行う予定だ。
2024年のF1世界選手権の序盤において、アルピーヌが最も期待外れなチームとなっていることは明らかだ。2024年型マシン『A524』は元のデザインにいくつかの問題が見つかったため、昨年12月中旬に完全に新しいモノコックの再設計と製造の必要に迫られ、妥協が生じた。
エステバン・オコンが初めてモノコックのモックアップに座ったとき、チームは身長の高い彼がモノコックに収まらないことに気づいたと考えられている。より長いモノコックを急いで設計し、製造しなければならなかったが、社内の衝突テストに通らなかった。そのため、義務化されているFIAの衝突テストに合格するために、より重いものを製造するという必然的な決定に至った。
A524は他のマシンと少なくとも10kgの差があるため、1周あたり0.3秒の差があると推定されており、ダウンフォースの量も少ない状態でシーズンをスタートさせた。これらふたつの問題が組み合わさり、バーレーンGP後にテクニカルディレクターのマット・ハーマンと空力責任者のディルク・デ・ビアが辞任することになった。
2023年末までにチームは深刻な問題を抱えていることを理解していたため、A524の積極的な開発計画が立てられた。その最初の成果がF1第4戦日本GPでアルピーヌにもたらされるはずだ。改良版のフロントウイングと新しいフロアは、チームの本拠地であるエンストンで最終的に決定された。チームは両方のマシンにそれらを取り付けるのに十分なパーツを確保し、それぞれに1セットのスペアパーツも用意することを望んでいる。
チームはこれらの新しいパーツから予想される進歩についてコメントしていないが、アルピーヌの情報筋によると、新たなアップグレードが導入されて最適化されれば、1周あたり少なくとも0.3秒速くできるとチームは考えているという。そうなれば、今シーズンは今のところ第3戦オーストラリアGPでオコンのみがQ1を突破しただけだが、オコンとピエール・ガスリーの両名が鈴鹿でQ2に進出する可能性が非常に高くなり、ふたりのフランス人ドライバーが中団のトップで戦う助けになる。うまくいけば、上位5チームのうちのひとつがつまずいて、ポイントを獲得できるだろう。
オコンもガスリーもそうなることに大きな期待を寄せており、オコンはオーストラリアGP後に初めて次のように説明した。
「日本ではマシンに新しいものが搭載されるだろう。これがどれだけのパフォーマンスをもたらすかを見極める必要があるが、大きな前進になるとかなりの期待を抱いている」
チームメイトのガスリーも、次のように認めた。
「ポイント獲得に必要なパフォーマンスにはまだ程遠いので、改善しなければならない」
「僕たちは何に集中すべきか分かっているし、自分たちが持っているもので可能な限りベストを尽くそうとしている。それがこれまでやってきたことだ。僕たちに欠けているものはとても明確だ。でも特定の要素はない。僕たちは間違いなくすべてを改善する必要がある。チーム全体がそのことに取り組んでおり、計画が立てられているが、現実的にならなければいけない。これには時間がかかるだろう。そのことを隠すわけにはいかないが、僕はチームが正しい選択をすると信頼している」
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