F1バーレーンGP技術解説(2):ジェームス・キー加入のマクラーレンがバージボードをアップデート。トロロッソ・ホンダも同様の改善施す
2019年F1第2戦バーレーンGPでは、各チームが早くもアップデートを持ち込んだ。技術解説第2回目の今回は、フェラーリ製パワーユニットのトラブルの原因、マクラーレンやトロロッソ・ホンダの空力アップデートを紹介していく。
──────────
(4)フェラーリのエンジントラブル
バーレーンGPではフェラーリ製パワーユニットのトラブルによって、シャルル・ルクレールの初優勝はお預けとなってしまった。レース中の無線交信を聴く限りは、原因はMGU-Hと思われた。ところがその後マッティア・ビノット代表は、「終盤46周目に、1気筒の燃焼に問題が生じた」とコメント。「しかしなぜそれが起きたのかは、現時点ではわからない」とのことだった。
「この種の不具合が起きた場合、エンジンマッピングに変更を加えたりして、回復を試みる。今回も様々な方法をトライしたが、ダメだった。それで出力を落としたまま、走らざるをえなかった」
「今後マラネロで徹底的に原因分析を行うが、エンジンそのものにダメージはないと思われ、中国GPの初日にそのまま使う予定だ。そのデータを見て、そのまま使い続けるかどうかを決定する」
(5)マクラーレンの精力的な空力変更
長くガーデニング休暇を強いられていたジェームズ・キーが、マクラーレンのテクニカル・ディレクターとして初めてレース現場に姿を見せた。長い低迷から脱出しようと、マクラーレンはバーレーンGPでもいくつかの空力アップデートを持ち込んでいた。
そのひとつがバージボードで、新たに6枚のデフレクターを装着し(黄色矢印)、ベース部分に深い切れ込みを入れた(赤矢印)。さらに上方のミニウィングは、ブーメラン型に形状を変更している(青矢印)。
(6)トロロッソ・ホンダ
キーを奪われたトロロッソも、負けていない。同じように、バージボードに変更を加えている。上方切れ込みが6枚から5枚へとシンプルになったのに対し(黄色矢印)、逆にベース部分の形状は複雑さを増している。車体の構造的なパーツではないバージボードは、比較的安価に、そして短時間でアップデートしやすい。そのためシーズンを通じて、この部分の形状は目まぐるしく変化する。
「バーレーン」をもっと詳しく
「バーレーン」のニュース
-
レッドブル&HRC密着:2戦連続1-2フィニッシュで圧勝。終盤はリスクを冒さず冷静にバックマーカーを処理3月10日16時4分
-
【角田裕毅F1第2戦分析】ライバルの戦略に阻まれた決勝。ペースにも疑問が残る「入賞できる速さがあったかわからない」3月10日14時23分
-
【宮田莉朋F2密着】開幕戦の収穫と初走行ジェッダ市街地で受けた洗礼。未来への大切な糧3月10日0時57分
-
レッドブル&HRC密着:混戦の予選で「完璧と言ってもいい」ラップを披露しポール獲得。一方でチーム内には暗雲が漂う3月9日14時46分
-
リカルド、期待外れの予選に困惑「バーレーンでは自分に問題があったが、今回は謎」RB/F1第2戦3月9日7時40分
-
レッドブル&HRC密着:接戦予想のサウジアラビア。初日のクルマは良好も「もっと何かが必要」と昨年の勝者ペレス3月8日14時10分
-
【角田裕毅F1第2戦分析】互いの理解と反省を経てサウジアラビアへ。ロングランとデータ収集に徹した初日は11番手3月8日12時28分
-
マクラーレンと相性の悪いバーレーンでの結果に勇気づけられたピアストリ「スタートとしては悪くない」3月7日7時10分
-
バーレーンGPは「問題が多すぎた」とフェラーリF1代表。一方で終盤はペレスよりサインツの方が速かったと前向きな点も3月7日7時0分
-
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第1戦】完璧なフェルスタッペンと唯一レッドブルに挑んだサインツ3月7日6時52分
スポーツニュースランキング
-
1井上尚弥に止まぬ特大評価 リング誌の“ウシク1位”にメキシコ名伯楽が異論「イノウエはあまり騒がない。それでも十分偉大」 ココカラネクスト
-
226年WBC開催地が発表 プールCは東京ドーム 決勝は昨年と同じく侍ジャパン世界一の地・フロリダ スポーツニッポン
-
3大谷翔平の絶妙バント安打が幻に 投手失策に記録訂正…打率も6厘下がり、安打トップからも陥落 スポーツ報知
-
4大谷翔平が“史上5人目の快挙”へ! 第1打席に左前打で4試合連続安打 打率「.350」維持なら歴史的記録を達成 ココカラネクスト
-
5止まらぬジャッジ! 4月の絶不調から一転、大谷翔平を凌ぐ15号 NY紙も脱帽「これ以上にないほど素晴らしい」 ココカラネクスト