アルピーヌ、決勝前日のBoP変更で約13馬力を失う。最高出力はル・マン走行前を下回る417kWに
2022年WEC世界耐久選手権第3戦として開催される、第90回ル・マン24時間レースの決勝スタートを前日に控えた6月10日、シリーズ最高峰カテゴリーであるハイパーカークラスのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)が変更され、アルピーヌ・エルフ・チームが走らせる36号車アルピーヌA480ギブソンがエンジン出力のパワーダウンを言い渡された。
オレカ製のノンハイブリッドLMP1マシンは9日に行われた予選ハイパーポールの後に10kW(約13PS)の出力制限を受け、最大出力が417kW(559PS)へと削減された。また、同時に1スティントあたりの最大エネルギー量も32MJ減らされ、774MJとなっている。
決勝のグリッド位置を決定するハイパーポールで、36号車アルピーヌはニコラ・ラピエールが3分24秒850というタイムをマークし、2台のトヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)に次ぐ3番手グリッドを確保していた。
そんなアルピーヌがハイパーカークラスのBoP変更の対象となるのは、この第3戦ル・マンで早くもシーズン4回目だ。開幕戦セブリングを制したフランスのチームは、第2戦スパ・フランコルシャンまでの間に20kW(約27PS)の出力制限を受けた。
その後、ル・マン公式テストの“テストデー”を前に、スパで失ったパワーのおよそ半分(10kW)を回復したアルピーヌは、ル・マンでの2回のフリー走行と水曜日の予選を経て、さらに7kW増の427kWを手にした。しかし、ハイパーポールと4回目のフリー走行を終えると一転、決勝レースを控えたタイミングで10kWのエンジン出力を失うことになった。
これは36号車がテストデー前に発行されたBoPでの420kW(約571PS)よりも、わずかに少ないエンジンパワーで24時間レースに臨むことを意味している。なお、ハイパーポールでフロントロウを独占したトヨタと予選4、5番手となった2台のグリッケンハウス007 LMH(グリッケンハウス・レーシング)についてはBoPのステータスに変更はない。
一方、LMGTEクラスでは、プロとアマの両クラスのフェラーリ488 GTEエボを対象にターボブースト圧の微増が認められ、プロカーは2ミリバール、アマクラスのマシンでは1ミリバールが全回転域で引き上げられた。
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