ニコ・ロズベルグ、エクストリームE第2戦ダブルヘッダーを前にF1引退以来初のテストを実施
ワンメイクの電動オフロード選手権、エクストリームEで初代王者に輝いたロズベルグXレーシング(RXR)は、地元ドイツで実施したプライベートテストにおいて、ついに2016年F1ワールドチャンピオンのドライブを実現させた。文字どおりチーム創設者兼CEOを務めるニコ・ロズベルグがシリーズ専用ワンメイク車両の『オデッセイ21』のシートに収まり、F1引退以来初となる電動オフロード車両のテストドライブを堪能した。
2016年のF1タイトル獲得を経て、レースからの引退を宣言したロズベルグは、持続可能性をテーマに掲げた業態の起業家兼投資家としてのキャリアに乗り出していた。それ以来、現在36歳を迎えるロズベルグは、F1ファンに対し自身のシミュレーター上でトラック攻略の技を披露することはあったものの、レースカーのステアリングホイールを握る機会は滅多にないままとなっていた。
そのロズベルグは、ドイツ・ノイシュタットを拠点とするチームのテストに際し、ファクトリー至近となるニュルブルクリンクのオフロード・パークに姿を見せ、初年度覇者となったRXRの実戦車両『オデッセイ21』のパフォーマンスを確認する機会を得た。
チーム代表のキモ・リーマタイネン以下、RXRのレギュラードライバーを務めるヨハン・クリストファーソン、ミカエラ-アーリン・コチュリンスキーらが見守る中、緊密なコクピットドリルを受けたロズベルグは、まずクリストファーソンのサイドシートで約1kmのオフロード周回路を習熟。その後は自らステアリングを握って爽快な時間を過ごした後、初体験となった電動SUVのインプレッションを明かした。
■ロズベルグ「オフロードでのドライビングは本当に楽しかった」
「これはシンプルに驚異的な経験だったよ。このクルマのパワーはちょっと信じられないほどで、オフロードでのドライビングは本当に楽しかった」と、満面の笑顔を見せたロズベルグ。
「僕は長い間ステアリングを握っていなかったけれど、走り出してすぐに自分の要素の一部になった。筋肉の記憶がすぐに戻ってきたし、その後はたたひたすら、楽しむことができた。しかしラリードライビングは、サーキットレースとはまったく異なる“ビースト”だと痛感したし、僕はミカエラとヨハンに新たな敬意を払っているところだ(笑)」と、自チームのレギュラーたちを労ったロズベルグ代表。
このテストはロズベルグにとって純粋に「楽しい演習」となったが、2022年シーズンの次戦となるイタリア・サルディニアでの『アイランドX Prix』のダブルヘッダーまであと約1週間となり、チームにとっては本格的なシーズン再開が迫っている。
イタリアの自動車連盟(ASN)となるオートモビル・クラブ・イタリアと地元政府観光局が主催する同イベントは、ロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクにより、イタリア軍が軍事演習を行う必要性が出たために開催延期となっていた。
そこで改めて日程再調整を行なったアイランドX Prixは、7月6〜7日と同9〜10日にダブルヘッダー戦が予定されている。初年度王者のRXRは2022年にサウジアラビアのNEOMで開催された『デザートX Prix』で開幕勝利を収めてシーズン2をスタートしており、このイタリア戦には連勝を懸けて臨むことになる。
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