「熱男」巨人・松田宣浩引退 数字には現れない 原監督も認めた「陰の貢献」とは
松田はチームに「熱男」イズムの財産を残した(C)CoCoKARAnext
巨人・松田宣浩内野手が今季限りで現役引退することを9月28日、球団が発表した。
松田は2005年大学生・社会人ドラフト希望枠でソフトバンク入り、通算1832安打、301本塁打、991打点を積み上げ、ソフトバンクでは6度のリーグ制覇、7度の日本一に貢献した。
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松田は今季から巨人に加入。足りないピースを埋める存在として期待を集めた。
昨季4位に沈んだチームでは特にシーズン終盤のベンチの静かさ、覇気のなさが課題に浮上していた。そこで求められたのが「熱男」だった。
どんなチーム状況下においても、声や野球に向き合う姿勢でチームを鼓舞する。原辰徳監督にとっても2019、20年と2年連続で日本シリーズの舞台で戦い、相手ベンチを目の当たりにしたことで、強くその存在感を意識したとされる。
昨年11月に行われた入団会見に同席した指揮官は松田に関して「松田選手は誰も立ち入ることのできない聖域。そういう選手はいそうでいない。敵陣にいながら眩しく見えていた」とコメントを残している。
迎えた2023シーズンの春季キャンプ。松田は早速躍動した。若手に交じって熱心にバットを振り込むのはもちろん、注目を集めたのはシートノック時の姿勢にもあった。
キャンプ初のシートノックを行った際にはこれまで1軍で出場経験のない二塁に挑戦。ダブルプレーを奪うなど、さっそうとしたプレーでチームに活気を与えた。
チームではレギュラー陣の高齢化も進み、様々なポジションでコンバートの必要性もいわれていた。サードでゴールデン・グラブ8度受賞と実績のある松田が率先して新しいポジションに取り組む姿勢を示したことでほかの選手にも刺激を与えることとなり、原監督もこの点を高く評価した。
今季1軍では11試合に出場し、4月9日の広島戦(マツダ)の5回に代打出場で放った三塁内野安打の1安打のみに終わった。ただ数字だけでははかれない、唯一無二の存在感、チームには「熱男」イズムの財産は残った。
どんな状況下でもベストを尽くし、勝利を信じて声を出す。たとえ試合で結果が出なくとも、その姿勢は誰かが必ず見ている。
プロ18年目のベテランは移籍した場所でも、自身のポリシーを貫いた。その姿を見た後輩たちが躍動することが松田の願いでもある。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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