STC2000第9戦:シボレーYPFクルーズが雪辱の2戦連続ワン・ツーを達成
アルゼンチンを代表するツーリングカー・シリーズ、スーパーTC2000(STC2000)の2019年シーズン第9戦が10月5〜6日に開催され、前戦でポールポジションを獲得するなど好調さを維持するシボレーYPFチームのアグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)が土曜クオリファイレース、日曜フィーチャーレースで連勝。2位にチームメイトのベルナルド・レイバーが続き、シボレー勢が連日のワン・ツー・フィニッシュを飾っている。
ひさびさに2018年までのフォーマットとなる土曜クオリファイレースが開催された同国西部の高原地帯メンドーサでの1戦は、TOYOTA GAZOO Racing YPF Infiniaのマリアーノ・アルトゥナ(トヨタ・カローラ)がリバースポールポジションからのスタートに。
しかしそのスタートでフロントロウ2番手から飛び出したシボレーYPFのレイバーが首位に立つと、後方では2016年王者の僚友カナピノがフィアットDTAレーシングのマリアーノ・ウェルナー(フィアット・ティーポSTC2000)をかわして3番手に上がってくる。
アンデス山脈を望む標高800mでの高地戦で勢いを見せるシボレー勢は、そのままオープニングラップを終える直前にアルトゥナのカローラに迫ると、軽いコンタクトを伴いながら迷いなくパッシングを決め、2周目突入時点でシボレーのワン・ツー体制が築かれる。
このメンドーサが出身地に近く、ホームと呼べる大観衆の前でトップランを続けていたレイバーだったが、3周目にエースが背後に迫ってくると、さしたる抵抗も見せずに道を譲りクルーズ同士のポジションが入れ替わる。
一方、タイトルコンテンダーとして2019年シーズンを牽引してきたトヨタ勢と、ルノー・スポール・アルゼンティーナのフルーエンスGT軍団は、王座争いの当事者であるマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)とリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)がトップ10圏内でのバトル中に接触。それぞれ大きくポジションを下げる意地の張り合いに。
さらにロッシはチームメイトのジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラ)とも絡み、11位まで挽回するのがやっと。ペーニャも9位が精一杯と、タイトル候補にとっては苦しいレースとなった。
結局、土曜予選レースはカナピノがチームメイトに6秒のギャップを築いて11周のチェッカー。3位にフィアットのウェルナーが続き、4位にトヨタのアルトゥナ、5位に連覇中のファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT)が入るトップ5に。日曜正午スタートの決勝はこのリザルトを反映したグリッドで争われることとなった。
今季中盤から採用された予選上位勢に課される“ペナルティ・ウエイト”の適用もなく、前日レースの上位勢はそのまま日曜正午の1コーナーへ突入すると、5番グリッド発進だった王者アルドゥソのルノーがフィアットを仕留めて4番手へ。
すると3周後には、6番手からスタートしたマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT)が、前戦でのシリーズ初優勝をきっかけに自信を得て、ペースの落ちてきたトヨタのアルトゥナ、そして王者アルドゥソもパスして4番手に浮上してくる。
その後方ではまたしてもタイトル候補同士のバトルが勃発し、ロッシとペーニャが9番手のポジションを争うと、後方から仕掛けたペーニャがドアを閉めたロッシにヒット。一旦は前に出ることに成功するも、レーススチュワードにより「ポジションバック」の指示を受けることに。
するとこの無理が祟ったか、中盤を過ぎたところでペーニャのフルーエンスGTを異変が襲い、エンジン水温が上昇するトラブルを抱え、トヨタのサンテロに9番手を明け渡す厳しい展開に。
さらに19周目には、レースペースをマネジメントして3番手にまでポジョションを挽回していたアルドゥソが、左リヤのスローパンクチャーに見舞われ緊急ピットを強いられるなど、ルノースポール勢はツキにも見放されてしまう。
そのままレースは27周を走破したカナピノが連日の勝利を飾り、レイバー、ウェルナーと表彰台の顔ぶれも変化なしの結果に。ルノーのミラが4位に入り、終盤にチームメイトのサンテロとアルトゥナに譲られたロッシが貴重なポイントを加算する5位に。
これで選手権首位固めを果たしたロッシが134点、ランク2位のペーニャが120点、続くアルドゥソが98点として残すは3戦。続く第10戦は11月9〜10日のブエノスアイレス戦となる。
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