トヨタ、シボレー各陣営がSUVツーリングカーの製作状況を報告「悪くない台数が揃うはず」/TC2000

2025年2月7日(金)17時30分 AUTOSPORT web

 隣国のSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”と刻を同じくして、この2025年よりSUVセグメントによる新時代の幕開けを迎えるアルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権、TC2000に参戦するトヨタ、シボレー、ホンダ、さらにフィアットの各陣営が、このオフ期間に製造を進める新型SUVモデルの開発進捗を報告するとともに、新たなシーズンに期待する点など抱負を述べた。


 先行開発車両“プロトタイプ001”として、一番乗りで姿を見せた小型クーペSUV『フォルクスワーゲン・ニーヴァスSUV』に続き、シボレー陣営のYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングが走らせる『シボレー・トラッカー』や、昨年末のテストに姿を現した『トヨタ・カローラクロス』、そして現地法人ホンダ・モーター・アルゼンティーナからファクトリー指定チームを拝命した強豪プロ・レーシングの『ホンダZR-V』に、まだ姿を見せていない『フィアット・パルス』など、2025年には少なくとも5車種以上のSUVモデルがグリッドに並ぶ。


 そのうち3番目のモデルとして合同テストに登場していた『トヨタ・カローラクロス』の製造責任者である陣営内サテライト、コルシ・スポーツのフランコ・オガラは、この夏の間の努力の末に開幕から3台の新型SUVレースカーを投入すると明言した。


「数日間の集中的な作業を経て、我々はトヨタの最初のクルマを組み立てることができた。これは2025年を順調にスタートさせるための出発点であり、我々は皆、TC2000とともにこれを達成できたことに非常に満足している」と語ったオガラ。


 どのチームにとっても未知の領域となる新型SUVツーリングカーは、従来のセダン車種と同様に共通エンジンを採用。新開発となる500PS級の“直列5気筒”直噴ターボエンジンを搭載する。


「すべては各分野、各領域の共同作業だ。3台のSUV車両をレーストラックに出すために、まず空力デザイナーとコンポジット部門から提供された空力キットを使用し、その後、各ボディのデザインを担当することになった。そこから我々がサスペンション、フロント、リヤなど車両をゼロから構築した。エンジンも問題なく入り、メカニックも問題なく作業できるよう取り付けが完了している」と続けたオガラ。


「トラックに持ち込んだ最初のモデルから(実際に走らせたことで)つねにさまざまな結論が導き出され、進化し続けるための改善点も見つかる。これらのプロトタイプ開発には限界点というものがないんだ」

『トヨタ・カローラクロス』はVW、シボレーに次ぐ3番目のモデルとして合同テストに登場していた
シボレー陣営のYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングが走らせる『シボレー・トラッカー』


 前述のとおり、開幕時点では3台のトヨタ・カローラクロスが日の目をみる計画だが、さらにシーズン中盤までには複数台の製作も予定される。


「トヨタ陣営としても、今季このカテゴリーに参加する複数のチームと引き続き協力していく考えだ」とオガラは述べた。


「目標は10〜11台のSUVプロトタイプを準備することで、それは大きな挑戦になるだろう。ライバル陣営の進捗も伝え聞くと、開幕の最初の日までに14台か15台のSUVレースカーが完成する予定で、これは2025年のTC2000をスタートさせるのに良い数字だね」


 同じくYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのディレクターであるアンドレス・ラムッツィは、カテゴリーの車両群を刷新する新しいSUVセグメントのシボレー・トラッカーを2台と、引き続き従来のシボレー・クルーズの2台をトラックに投入すると明かした。


「2025年には2台のSUVと、同じく2台のセダンでサービスを開始する予定だ」とラムッツィ。


「すでにトラッカーの初号機は昨年12月に実施されたテストでセットアップの開発において重要な一歩を踏み出した。2台目のSUVは製造段階にあり、選手権開始前にテストを行う。一方、クルーズの2台も年初に揃うよう徹底的なメンテナンスを受けているよ」


 同氏はまた、昨季2024年はタイトルこそ逃したものの、シリーズ最大の祭典である『ブエノスアイレス200km』を制覇した陣営として、チームの目標を明確に宣言した。


「SUVの登場により、このカテゴリーにもたらされる革新とテクノロジーが気に入っている。国内でもっとも売れているセグメントの車両でレースをすることがつねにTC2000のDNAであり、これは必要なことなんだ」


「2024年に得た経験と200kmでの勝利を経て、我々はチャンピオンシップを勝ち獲る準備ができている」


 そしてコルドバ州カルロス・パスに拠点を置き、日本でもドライバーとして活動した経歴を持つセバスチャン・マルティノが代表を務めるホンダ陣営のプロ・レーシングは、計画によれば初号機製作の作業は「2月22日に終了する」との見通しを語った。


「すでに明らかにしているとおり、2025年シーズンは2台のホンダZR-Vを年初からトラックに投入することになる」とマルティノ。


「塗装と組み立ての工程を経た後、初号機が完成するのは2月22日、2号機の製造は3月15日に終了する。その後はいくつかのテストも予定している」


 年間全12戦のシーズンカレンダーを公開している新生TC2000だが、その新生“SUV時代”の歴史的開幕戦は、同国コルドバに位置する代表的トラック、アウトドローモ・オスカー・ファン・カバレンにて4月13日に幕が上がる。

従来のセダン車種と同様に共通エンジンを採用。新開発となる500PS級の“直列5気筒”直噴ターボエンジンが搭載される
強豪プロ・レーシングの『ホンダZR-V』も急ピッチで製作が進む


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