覚醒した“得点王候補”碇明日麻が牽引 “公立の雄”大津が目指す選手権初制覇
サッカーキング2023年12月30日(土)13時14分
大津のエース 碇明日麻[写真]=吉田太郎
覚醒した注目エースを中心に、初優勝に挑戦する。
過去10大会の全国高校サッカー選手権大会でベスト4以上に進出している公立校は、2021年度大会準優勝、前回大会3位の大津だけだ。九州の名峰、阿蘇山の麓に位置する人口3万人強の大津町で、選手育成と進化を続ける“公立の雄”が今冬、全国制覇を成し遂げる。
2023年、大津は“高校年代最高峰のリーグ戦”高円宮杯プレミアリーグWESTで4位と健闘。総失点はリーグで4番目に多い43だったが、総得点47は優勝した広島ユースの51に次いで2番目に多い数字だった。その半数近くの20得点を叩き出したのが、MF碇明日麻主将(3年、水戸ホーリーホック内定)だ。
碇は1年前、2年生センターバックとして空中戦の強さや守備能力の高さを発揮するなど、選手権準決勝進出に貢献。また、年代別日本代表や高校選抜ではボランチとして展開力やボール奪取力を見せていた。
その碇は2023年シーズン、トップ下やFWというよりゴールに近いポジションでプレー。プレミアリーグWESTでは19試合で20得点と1試合1得点以上のペースでゴールを量産し、得点ランキング2位タイの神村学園(鹿児島)FW西丸道人(3年、ベガルタ仙台内定)とジュビロ磐田U-18FW舩橋京汰(3年、愛媛FC内定)に6点差をつけて得点王に輝いた。
その得点数の約半数にあたる9得点が頭で決めたもの。5月の横浜FCユース戦では、すべて頭で3得点を叩き出している。188cmの高身長と抜群の跳躍力から繰り出すヘッドは、相手の警戒を上回る破壊力。加えて、しなやかな身のこなしと柔らかいボールタッチ、正確なシュートも武器にゴール前で違いを生み出してきた。
センターバック、ボランチ、アタッカーとしての才能も兼備。前回の選手権では、FWとセンターバックを務める198cmの“二刀流”、日大藤沢FW森重陽介(現:清水エスパルス)が注目を集めていたのに対し、碇は「(来年は)森重選手を超えて三刀流で」と微笑んでいた。ポジションは前線に固定されたが、この1年で点取り屋としての力を覚醒。「どこでも結果残せるのが自分の良さなので、どんなポジションでスタメンで呼ばれてもそこのポジションでしっかり活躍する」という言葉通り、前線でチームを牽引している。
有力な得点王候補として選手権を迎えるが、一方で主将の碇は全国制覇を目指す上で「個人だけじゃ無理」とチーム力の向上を強調してきた。昨年からのレギュラーで大会屈指の左SB田辺幸久(3年)やプレミアリーグWESTで10得点のFW稲田翼(3年)がリーダーシップも発揮。チーム全体で雰囲気を盛り上げ、CB吉本篤史(3年)を中心としたDF陣の粘り強さも着実についてきている。
「選手権で優勝して水戸にいきたい」と語る碇は、チームメートととともに一戦一戦に集中。そして勝ち上がり、過去2敗の国立競技場で2勝して目標を達成する。
取材・文=吉田太郎
過去10大会の全国高校サッカー選手権大会でベスト4以上に進出している公立校は、2021年度大会準優勝、前回大会3位の大津だけだ。九州の名峰、阿蘇山の麓に位置する人口3万人強の大津町で、選手育成と進化を続ける“公立の雄”が今冬、全国制覇を成し遂げる。
2023年、大津は“高校年代最高峰のリーグ戦”高円宮杯プレミアリーグWESTで4位と健闘。総失点はリーグで4番目に多い43だったが、総得点47は優勝した広島ユースの51に次いで2番目に多い数字だった。その半数近くの20得点を叩き出したのが、MF碇明日麻主将(3年、水戸ホーリーホック内定)だ。
碇は1年前、2年生センターバックとして空中戦の強さや守備能力の高さを発揮するなど、選手権準決勝進出に貢献。また、年代別日本代表や高校選抜ではボランチとして展開力やボール奪取力を見せていた。
その碇は2023年シーズン、トップ下やFWというよりゴールに近いポジションでプレー。プレミアリーグWESTでは19試合で20得点と1試合1得点以上のペースでゴールを量産し、得点ランキング2位タイの神村学園(鹿児島)FW西丸道人(3年、ベガルタ仙台内定)とジュビロ磐田U-18FW舩橋京汰(3年、愛媛FC内定)に6点差をつけて得点王に輝いた。
その得点数の約半数にあたる9得点が頭で決めたもの。5月の横浜FCユース戦では、すべて頭で3得点を叩き出している。188cmの高身長と抜群の跳躍力から繰り出すヘッドは、相手の警戒を上回る破壊力。加えて、しなやかな身のこなしと柔らかいボールタッチ、正確なシュートも武器にゴール前で違いを生み出してきた。
センターバック、ボランチ、アタッカーとしての才能も兼備。前回の選手権では、FWとセンターバックを務める198cmの“二刀流”、日大藤沢FW森重陽介(現:清水エスパルス)が注目を集めていたのに対し、碇は「(来年は)森重選手を超えて三刀流で」と微笑んでいた。ポジションは前線に固定されたが、この1年で点取り屋としての力を覚醒。「どこでも結果残せるのが自分の良さなので、どんなポジションでスタメンで呼ばれてもそこのポジションでしっかり活躍する」という言葉通り、前線でチームを牽引している。
有力な得点王候補として選手権を迎えるが、一方で主将の碇は全国制覇を目指す上で「個人だけじゃ無理」とチーム力の向上を強調してきた。昨年からのレギュラーで大会屈指の左SB田辺幸久(3年)やプレミアリーグWESTで10得点のFW稲田翼(3年)がリーダーシップも発揮。チーム全体で雰囲気を盛り上げ、CB吉本篤史(3年)を中心としたDF陣の粘り強さも着実についてきている。
「選手権で優勝して水戸にいきたい」と語る碇は、チームメートととともに一戦一戦に集中。そして勝ち上がり、過去2敗の国立競技場で2勝して目標を達成する。
取材・文=吉田太郎
(C) SOCCERKING All rights reserved.
「得点王」をもっと詳しく
「得点王」のニュース
-
レスター、FWヴァーディとの契約延長を画策か…37歳の元得点王が来季プレミア帰還へ?5月1日18時3分
-
大暴れに期待!新加入の若きFW5選【J2リーグ2024】1月31日14時0分
-
王座の行方左右する得点力 上田綺世、アジアカップ2度目の日本人得点王への期待1月31日8時31分
-
慶應義塾大1年生FW塩貝健人、2027年の横浜FM加入が内定「一刻でも早くJ1得点王を…」1月25日16時15分
-
16強進出を決めた森保ジャパン ブラジルメディアは3得点を生んだ上田綺世を「得点王候補」と高評価1月25日8時9分
-
ホームで2連戦を迎えるさいたまサイコロは勝利をおさめることができるか!シーズン得点王争いにも注目!【日本女子フットサルリーグ2023-2024 ファイナルシーズン 下位リーグ 第14節・第15節】1月20日15時46分
-
最高額は誰? アフリカネイションズカップの市場価値をチェック<1位〜4位編>1月16日17時55分
-
最高額は誰? アフリカネイションズカップの市場価値をチェック<5位〜10位編>1月15日15時59分
-
横浜FMが主力3選手と契約更新!…エドゥアルド、水沼宏太、“得点王”アンデルソン・ロペス1月12日17時44分
-
第102回大会の得点王が決定! 青森山田の米谷壮史と市立船橋の郡司璃来が5ゴールで並ぶ1月8日17時9分