【猫】映画『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』は邦題詐欺? 「空海の話かと思ったら黒猫が無双」「壮大な猫の哀しき物語」
タイトルに惹かれて映画を観に行ったけど、良い意味でも悪い意味でも「予想していたのと違った」と思った経験はないだろうか。特に海外作品を日本で公開するときは、邦題として別のタイトルをつけることが多い。映画のイメージが大きく変わることから"邦題詐欺"と言われることもある。
2月24日に染谷将太さん(25)主演の映画『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』が公開された。これについてネット上は映画を観た人から、「邦題詐欺ではないのか」という声が上がっている。
「猫が大粒の涙を流して嘆き悲しむ映画だった」同作品は日中合作の映画で、舞台は9世紀の中国、唐代だ。唐へ渡った空海(演:染谷将太)と詩人・白楽天(演:黄軒)が首都・長安で、権力者が次々と奇妙な死を遂げる怪事件の真相を探る。ここに大きく関わっているのが黒い妖猫だ。
予告編では一応、白楽天が「王妃の死と猫に関係が…」とつぶやいたり、猫が歩いたりといったシーンが映されている。しかしそれ以上に、日中オールスター俳優が出演していることや、6年かけて作り上げたという長安の豪華なセットがプッシュされている。
そしてこの邦題である。普通なら「日本の天才僧侶、空海が楊貴妃の謎をひも解く映画だろう」という印象を持つだろう。原作小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』(夢枕獏著)を読んでなければ、猫がここまで根幹にかかってくるとは思わない。そのためツイッターでは、映画を観た人から
「空海ってネーミングは詐欺ですわ。邦題詐欺」
「猫が主人公だった。『猫—名探偵空海と助手白楽天—』ていうタイトルでいいんじゃないかと思うくらい猫」
「空海が唐で無双する話かと思ってたら、無双してたの黒猫だったわ。執念の黒猫と空海の幻術織り混ぜた頭脳戦だったわ」
という声が続出していた。さらに「これはもう壮大な猫の哀しき物語」「猫が大粒の涙を流して嘆き悲しむ映画だった」という声も。筆者も歴史映画かと思って観に行ったら、猫の感動映画のように感じた。
もっとも、原題は『妖猫傳』。英題も『Legend Of The Demon Cat』で、どちらも"猫"が入っている。これならタイトルを見ただけで「とりあえず猫が出てくるんだろうな」と分かるだろう。実際、「原題の方がしっくりくる」という声も多い。
「ロケ現場に行くと本当に長安の街があった」と思うほどの作りこみに注目ちなみにこの映画、製作に10年かかっている。長安の街はCGではなくセットを組んでおり、パンフレット掲載のインタビューで染谷さんは「ロケ現場に行くと本当に長安の街があったので、あの景色と経験は忘れがたいです」と答えるほどの力の入りようだったという。
たしかにスクリーンいっぱいに広がる唐代の街や、超豪華な極楽の宴など細部に至るまで作り手の愛を感じた。そんな優美な世界観と猫を堪能してはいかがだろうか。
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