【高校受験2020】北海道公立高入試<理科>講評…昨年よりやや難化
リセマム2020年3月4日(水)21時47分
2020年度(令和2年度)北海道公立高等学校入学者選抜<理科>講評
令和2年3月4日(水)、令和2年度(2020年度)北海道立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。
<理科>講評(練成会 提供)
例年通り大問5題の出題となった。物理・化学・生物・地学の各領域の配点は15点ずつである。大問1で各領域からの小問を出題することで幅広い知識が問われている。
大問2~5は実験や観察に基づいて必要な情報を整理するとともに、実験結果をもとに科学的思考力や洞察力が試された。一昨年以降計算問題、完全解答とも減少傾向にあり、それぞれ10点分、15点分と近年では最も少ない配点となっている。しかしながら実験や観察が複雑となっているため、平均点は昨年よりやや下がることが予想される。
大問1は小問集合で配点は昨年と同様合計18点だった。各分野からまんべんなく出題されており、幅広い知識が要求される。計算問題はあらかじめ数値が与えられているものが出題の中心となるため、確実に得点に結び付けたい。
大問2は化学領域から物質の密度が出題された。問1(2)金属A~Cはいずれも質量が等しいため、全ての密度を計算する必用はない。表から体積を比較するといった工夫が求められた。問2(3)も同様に水、エタノール、混合液に3種類のプラスチックを入れたときの浮き沈みの様子から、計算することなく密度を比較することができる。また、(2)水とエタノールの混合液を作るのに必要なエタノールの体積を求める問題はエタノールの密度を文字eを用いて表現するといった数学的な力も試された。
大問3は地学領域から天体の動きに関する出題だった。問1(2)太陽の黒点の移動を作図する問題は黒点の移動する向きを理解していなくてはならないため、あやふやな知識では正解するのは難しい。問2(2)金星と火星の位置関係は太陽系を俯瞰することがポイントとなる。このことは星の年周運動でも必要となる、天体で最も重要な考え方である。(3)は金星と火星の公転周期の違いを考慮して天体の移動を予想していく。いずれにせよ天体の動きについて正確に覚えていることが土台となる。
大問4は物理領域の電流と磁界に関する出題だった。問2コイルを用いたモーターの実験は磁界の単元では代表的な実験だが、エナメルを半分はがす理由まで踏み込んだ出題はまれで、実験や観察を重視する傾向が強くなっている。(2)実験の条件を変えてコイルを同じ向きに回転させる出題からも同様のことがうかがえる。
大問5は生物領域から生物の成長と細胞について出題された。問2(1)24時間後の細胞ののびを求める問題は難度が高く、実験文の内容をしっかり把握していないと正答にたどり着くことができない。必要となる数値は先端からの根の長さ、4つ目の点までの根の長さ、さらに24時間後のそれぞれの長さ、また表で与えられている根の先端からの細胞の長さでこれらの数値の変化を求めることが必要になる。頭の中だけで理解するのは難しく、数値を含む簡単な図をかく作業が欠かせない。
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このレポートは令和2年3月4日(水)に速報として練成会により作成されたもの。
協力:練成会
<理科>講評(練成会 提供)
例年通り大問5題の出題となった。物理・化学・生物・地学の各領域の配点は15点ずつである。大問1で各領域からの小問を出題することで幅広い知識が問われている。
大問2~5は実験や観察に基づいて必要な情報を整理するとともに、実験結果をもとに科学的思考力や洞察力が試された。一昨年以降計算問題、完全解答とも減少傾向にあり、それぞれ10点分、15点分と近年では最も少ない配点となっている。しかしながら実験や観察が複雑となっているため、平均点は昨年よりやや下がることが予想される。
大問1は小問集合で配点は昨年と同様合計18点だった。各分野からまんべんなく出題されており、幅広い知識が要求される。計算問題はあらかじめ数値が与えられているものが出題の中心となるため、確実に得点に結び付けたい。
大問2は化学領域から物質の密度が出題された。問1(2)金属A~Cはいずれも質量が等しいため、全ての密度を計算する必用はない。表から体積を比較するといった工夫が求められた。問2(3)も同様に水、エタノール、混合液に3種類のプラスチックを入れたときの浮き沈みの様子から、計算することなく密度を比較することができる。また、(2)水とエタノールの混合液を作るのに必要なエタノールの体積を求める問題はエタノールの密度を文字eを用いて表現するといった数学的な力も試された。
大問3は地学領域から天体の動きに関する出題だった。問1(2)太陽の黒点の移動を作図する問題は黒点の移動する向きを理解していなくてはならないため、あやふやな知識では正解するのは難しい。問2(2)金星と火星の位置関係は太陽系を俯瞰することがポイントとなる。このことは星の年周運動でも必要となる、天体で最も重要な考え方である。(3)は金星と火星の公転周期の違いを考慮して天体の移動を予想していく。いずれにせよ天体の動きについて正確に覚えていることが土台となる。
大問4は物理領域の電流と磁界に関する出題だった。問2コイルを用いたモーターの実験は磁界の単元では代表的な実験だが、エナメルを半分はがす理由まで踏み込んだ出題はまれで、実験や観察を重視する傾向が強くなっている。(2)実験の条件を変えてコイルを同じ向きに回転させる出題からも同様のことがうかがえる。
大問5は生物領域から生物の成長と細胞について出題された。問2(1)24時間後の細胞ののびを求める問題は難度が高く、実験文の内容をしっかり把握していないと正答にたどり着くことができない。必要となる数値は先端からの根の長さ、4つ目の点までの根の長さ、さらに24時間後のそれぞれの長さ、また表で与えられている根の先端からの細胞の長さでこれらの数値の変化を求めることが必要になる。頭の中だけで理解するのは難しく、数値を含む簡単な図をかく作業が欠かせない。
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このレポートは令和2年3月4日(水)に速報として練成会により作成されたもの。
協力:練成会
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