本当にここに手を入れるの...? 子どもが怯えるカニに触れるプール、水族館に設置の経緯を聞いた
たくさんの水中の生き物に出会える水族館。子どもたちが大好きな場所のひとつだろう。
しかし、ある日の「アクアワールド茨城県大洗水族館」(茨城県東茨城郡)では、子どもの「やだー!!!」という声が聞こえたという。
タッチプールの前で子供が「やだー!!!」って拒否ってたから何だろと思ったら、けっこう勇気のいるタッチプールだった。 pic.twitter.com/aZPEE0IU17
- 都尾琉 火曜西め28a (@miyaoryuu) November 23, 2019
こちらは、ツイッターユーザー・都尾琉(@miyaoryuu)さんが2019年11月23日に投稿したツイート。子どもが何かを拒否する叫びを耳にし、そちらを見ると海の生き物と触れ合える水槽「タッチングプール」が設置されていた。
中にいるのは4匹の大きなタカアシガニ。甲羅は20センチ程度、脚を伸ばすと150センチほどになるらしい。怖がる子供がいるのも納得できる。
しかも水槽の上には「あしはとれやすいのでさわらないでね」と注意書きがあり、ちょっと不穏だ。
ツイートを見た人からは、
「これは子供触れないわ」
「色が毒毒しいから子供さんはひくかもしれない、、、」
「足が取れやすいのなら触りたくないですよね。優しいお子さんですね」
といった子どもの目線に立ったコメントや、「美味しそう」「食べたい」というカニの味をすっかり覚えた大人の反応が寄せられている。
「触れ合いたい!」と思う人が多いとは思えないタカアシガニのタッチングプール、なぜ設置されているのだろうか。
Jタウンネット編集部はアクアワールド茨城県大洗水族館を取材した。
深海の生き物に触れ合う機会を作りたい
取材に答えてくれたのは、展示を企画した普及課の担当者。タッチングプールは、生き物により一層の興味を持ってもらうために設置されている「お魚発見教室」の一環だという。
同じコーナーには他に3つのタッチングプールがあり、それぞれサメ類、磯の生き物、人間の角質を食べることで知られる「ドクターフィッシュ」が展示されている。なぜそこに、タカアシガニが選ばれたのだろうか。
「昨今、深海ブームですよね。当館でも、深海の生物の展示はしているんですけど、どうしても見るだけになってしまうんです。それをなんとか触らせてあげられないかなと考えていました。その中で、ダメージを受けにくく、大型で観察しやすいものということで、タカアシガニをチョイスしました」
と担当者。どうやらタカアシガニは「深海」枠からの参加者だったようだ。
しかし、「ダメージを受けにくく」と聞くと気になるのは、「あしはとれやすい」という注意書きだ。
脚はどれくらいとれやすいのか。そして、これまでに取れてしまったことはあったのだろうか。
「今のところ展示していて脚が取れたことはないです。
ただ、ひっぱられちゃうと危ないですね。カニは危険を感じると、自分で脚を切り離して本体は逃げる、という習性があります。脚は脱皮を繰り返して再生できますが、飼育下ではうまく再生させるのは難しいです。
そういった話もして『脚だけは勘弁してください』と、甲羅に優しく触ってもらうようにしています」(担当者)
タカアシガニの体がもろいため、脚が取れてしまう、という話ではなかったようだ。
担当者によると、カニの脚はトカゲのしっぽのようなもの。皆さんも、タカアシガニと触れ合うときは甲羅に優しくタッチしてあげてほしい。
そして、タカアシガニとの触れ合いでは、甲羅の感触以外にも観察してほしいポイントがあるという。
「甲羅に付着してきている深海の生物にも注目してもらいたいです」
と担当者。タカアシガニは深海の岩のない場所で暮らしていて、その甲羅は他の生き物の住処になっているのだそうだ。
「今展示しているものには『ヒメエボシガイ』という付着生物が付いています。動かないし、貝のように見えますが、エビに近い生き物です。
水槽には解説員が常駐していますので、触り方をアドバイスしながら、こんな生き物もいるんだよ、とか、甲羅が他の生き物たちの良い住み場になっているんだよ、という話もしています」(担当者)
よく観察すると、ヒメエボシガイがエサを集めるための腕をのばしている様子を見ることもできるという。間近で見られるタッチングプールならではの光景だろう。
一見エキセントリックなタカアシガニのタッチングプールには、深海の生き物に興味を持ってほしい、深海の生き物に触れる機会を作りたい、という水族館の熱い思いが込められていた。
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