復活間近の新型『トヨタ・スープラ』。先行発表された2台のレーシング仕様車を比較
2019年1月9日(水)11時5分 AUTOSPORT web
2018年3月のジュネーブモーターショーで、先代の生産終了から16年ぶりに姿を表した『トヨタ・スープラ』。現在までにロードゴーイングモデルに先駆けて、2種類のレーシング/レーシング・コンセプトが発表されているが、改めてこの2台を見比べてみよう。
ジュネーブでお披露目されたスープラ、正式名称を『GRスープラ・レーシングコンセプト』というマシンは、TOYOTA GAZOO Racingが手がけるGRブランドのスタディモデルとして生み出されたコンセプトカーだ。
“ロングノーズ&ショートデッキ”という伝統的なスポーツカーのフォルムを纏いながら、大型リヤウイングやディフューザー、フロントには片側2枚のカナードを装備したコンパクトなボディには、レーシングカーではお馴染みのカーボン・コンポジット素材が採用されている。
開発および製作はドイツのトヨタ・モータースポーツGmbH(TMG)が担当。サスペンション、ホイール、タイヤ、ブレーキといった足回りにはレース専用部品が組み込まれた。
一方、GRスープラ・レーシングコンセプトと比べて大型な体躯を持つスープラは、NASCARエクスフィニティ・シリーズ仕様だ。
18年7月にアメリカで公開されたこのマシンは、現行のカムリに代わって19年シーズンからNASCARエクスフィニティ・シリーズに実戦投入されるもの。アメリカのモータースポーツ活動拠点であるアメリカ・トヨタ・レーシング・デベロップメント(TRD)と、南カリフォルニアに拠点を置くキャルティ・デザイン・リサーチが開発とデザインを担当している。
そんな2台の新型スープラを見比べてみると、フロントマスクこそ共通のテーマがみられるが、それ以外ではまるで同一車種には感じられないだろう。
特にNASCAR仕様のデザインは“ロングノーズ&ショートデッキ”というテーマとそぐわないエクステリアとなっているが、これは車種ごとに有利・不利が生じないようNASCARが定めた厳しい車両規定が要因で、現行のカムリでもみられる外観の変化だ。
出自や用途が違えば、同一車種であってもこれほどまでに大きな変化が生まれる。まもなく登場するとみられるロードゴーイングモデルや東京オートサロン2019で披露されるスーパーGTコンセプトを含め、今後いくつのレーシング・スープラが誕生することになるのか楽しみなところだ。